広告代理店“任せ”ではなく“リード”する関係になれ
広告代理店にリスティング広告(検索連動型広告)の運用を任せたけれど、1週間経っても一向に最初のコンバージョンが発生せず、どんなワードで運用しているかも報告がない。
オマケに管理画面のID/PASSも伝えられず、気がついたときには当初の目標CPA(Cost Per Acquisition(「Acquisition」は「獲得」の略)。日本語では「顧客獲得単価」を意味する) の5倍相当の予算を消化したところで、別件の報告とあわせて申し訳程度に連絡が来た――。私の経験した中でも極端な例を取り上げてみたが、残念なことにこれは実話だ。
とはいえ、このような事態を招いてしまったこちらにも責任がある。今になって反省してみると、
- 新しいプロモーションの正確な成果データをリアルタイムに把握できていなかった
- 忙しさにかまけて最も注力すべきプロモーション戦略の指示を疎かにして丸投げしてしまった
という2点が致命的だった。
よく考えてみると、広告代理店の仕事は「ノルマ達成のため、いかに数多くの新規顧客を手間取らずに開拓するか」だ。物言わぬ私は「手間のかからぬ良いお客」に映ったのかもしれない。考えてみれば、広告代理店の限られたリソースは、物言う広告主への対応に優先して割り当てられるもの。成果が上がらないのも当然の話だった。
このような失敗を回避して、広告効果を上げて行くためにはどうすれば良いのか。既にヒントは出しているが、そのためには広告代理店“任せ”にするのではなく、広告代理店を“リード”していくことが重要になる。
まずは広告展開の状況をリアルタイムで正確に把握して、物言える広告主になること。そして次には、そのデータを基にシナリオを評価して、改善プランを考えられるようになることが肝要だ。現状が広告代理店“任せ”になっているのなら、徒手空拳のままで実現するのは難しい。関係性を変えていくための支えになるツールを用意しておきたい。
本稿では「広告代理店“任せ”にしているかも」と身に覚えのある広告主の読者の方々のために、広告代理店との関係を改善させて広告の費用対効果を改善していくやり方とそれを実現するためのツールについて紹介していく。
Step 1:正確なデータをリアルタイムで把握する
広告代理店“任せ”から卒業する第一歩は、良い意味で緊張感のある関係を築き、広告代理店をリードする広告主になること。
簡単なことだが「費用対効果が悪化しているから要因を報告して」などとマメに連絡を入れるようにしよう。連絡の頻度や課題発見後のレスポンスの早さから、広告主の本気度は広告代理店に伝わるもの。見当違いの問い合わせは敬遠されるが、現状を正確に把握した上での要望には正面から向きあってくれるだろう。
そうするだけで、広告代理店担当者の身の入り方も違ってくるはず。自戒も込めるが、週次や月次で報告を受けているだけでは、ほかの広告主に優先してリソースを回されても文句は言えない。
つまり、まずは最低限、現状を正確に把握することで、広告代理店と程良い緊張感を保つようにすることが重要となるのだ。
【参考情報】
広告の費用対効果を向上させるには、広告代理店任せの状態から卒業することがポイントとなります。事業会社のマーケターを支援する広告効果測定システム『WebAntenna』に興味のある方ビービット社のサイトをご確認ください。
Step 2への下準備:“リード”する上での着眼点をどう持つか
ここまでの「現状をリアルタイムで正確に把握する」という最初のハードルは、環境さえ整っていれば、あとは心掛け次第で誰にでもクリアできる。これだけでも、広告代理店の見る目が変わり、より本気に向き合ってもらえるようになるはずだ。
問題は次の“リード”することができるようになるところ。リードするためには「改善のアイデア」が必要になるものの、誰にでも簡単に見つかるものではない。
では、アイデアを浮かびやすくするためのヒントはないのだろうか。
そこで、サイトの広告効果を改善するプロジェクトで多数の実績を残し、広告効果測定システム『WebAntenna(ウェブアンテナ)』の開発元でもある、ビービットの中島克彦取締役(写真左)に助言を求めに伺ってみると、「手を加えられるページにフォーカスして、かつ成果に直結する指標に絞り込んで考えていくべきです」と指針を示してくれた。
つまり、日々の業務に追われているWeb担当者にとって、サイトの遷移やエントリーフォームに手を入れるほどの余裕は残っていないことがほとんど。改修対象はランディングページなどに絞り、一貫したユーザーの流れ(=シナリオ)を経路別に評価していくだけでも十分な「改善のアイデア」を得られると言うのだ。
Step 2:改善ポイントは「シナリオの評価」と「接触履歴の把握」
それでは、「シナリオを経路別に評価」とはどのように進めていけば良いのだろうか。シナリオの評価とは、流入経路別にユーザーニーズの違いを推測し、ニーズを満たせる導線・コンテンツを用意できているかと評価していくこと。
シナリオ評価に関する具体的な手順は、中島氏のMarkeZine Day 2009での講演『PDCAが回らないのはなぜ?間違いだらけの運用改善を正す』で解説しているのでここでは割愛させてもらうが、ただ1点、シナリオ評価の中でも特に再来訪ユーザーを確実に捕まえるため、接触履歴を把握することに気を配ってもらいたい。
「広告で1回接触しただけでコンバージョンしていることは少なくて、その前にいろんな形で広告に接触していることがよくあります。コンバージョン直前の広告だけを評価するのではなく、コンバージョンをアシストした広告も評価することが重要です」(中島氏)
シナリオを評価する時間軸も長めに取り、ユーザーがどのような道のりを経てここまでたどり着いたのかと考えること。そうすることで初めて「改善のアイデア」が浮かび、広告効果を改善できた事例が幾つもあると言う。
【参考情報】
直接効果だけでなく、間接効果も見ることで広告費用対効果の向上を図ることが可能です。間接効果の分析も可能な広告効果測定システム『WebAntenna』に興味のある方はビービット社のサイトをご確認ください。
Step 3:リードするために必要なツールを整備する
Step 1、Step 2と取り組むべき課題を挙げてきたが、Step 2のような広告に接触した順番を把握していくには専用のツールが必要となる。そこで、Step 3のツール整備へ取り組むにあたりお勧めしたいツールが、ビービットが提供するWebAntennaだ。WebAntennaは「最初にどの広告に接触し、コンバージョンの前にはどの広告を見て、最後はどの経路からサイトに入ってきたか」という広告の間接効果(アシスト効果)を把握する機能を備えている。
同機能に対する導入先からの評価は高く、「間接効果の分析は、ある程度広告をやってきたが、伸び悩んでいるお客様、成果が頭打ちになってきたお客様に、特にご好評いただいている機能です」(中島氏)とのこと。もちろん、Step 1で必要な「リアルタイムに正確なデータを把握」するための機能も、ほかのツール以上に万全の状態で整えられている。
ツール選定で見落としたくないのが「使い勝手の良さ」
このように、WebAntennaはStep 1、Step 2を実現するための要件を満たしているわけだが、私の経験則から言って、この手の日々使うツールでは「使い勝手の良さ」も導入前に確認しておきたい。機能が豊富でも使い方が分かりにくかったり、操作に時間がかかるようでは宝の持ち腐れどころか、足を引っ張ることにもなりかねないからだ。
その点、WebAntennaに関しては心配はない。WebAntennaが選ばれて導入された理由には前述の間接効果の測定機能などもあるのだが、大きな理由の1つは、ユーザビリティが優れている点だ。Webサイトのユーザビリティにかかわるコンサルティングでは、業界随一と定評がある会社がつくったツールだけに、使い勝手に関しての評価も高い。
「使いやすさも徹底的に考慮して設計しています。WebAntennaの導入前に他社のツールを使っていたお客様の数の方が、ツールをまったく使っていなかったお客様の数よりも7:3で多いのですが、使い勝手への不満はほとんど聞きません」(中島氏)
WebAntennaはネットにそれほど慣れていない担当者でも、直感的に使いやすく毎日使ってもストレスを感じないユーザーインターフェイスを実現していると評判だ。WebAntennaの紹介ページでは実際の画面を紹介してくれる簡易Webデモもあるので、気になる方はご確認いただきたい。
そしてもう1つ、ただ画面操作がしやすいだけではなく、「広告運用のワークフローや、Web担当者を取り巻く環境などを研究して、先まで見据えた広い意味での“使い勝手の良いツール”に仕上がっています」(中島氏)という点も見逃せない。広告代理店を管理する機能などWebAntennaの導入後の利点については、次回の記事で詳しく触れていきたい。
広告効果を改善して行く過程に近道はないが、正しいプロセスで改善を続けていくことで広告効果を高めることは可能だ。広告代理店をリードできるようになるためにも、現状を把握するためのツールを忘れずに用意しておくこと。これだけは忘れずにいておいてもらいたい。
【参考情報】
Webサイトのユーザビリティコンサルティングで培った経験を活かし“使い勝手の良さ”をを実現。2~3クリックですべてのデータが確認できる、広告効果測定システム『WebAntenna』に興味のある方は、ビービット社のサイトをご確認ください。