レコメンドサービスを「気持ち悪い」と感じるユーザー
ウェブサイト上でユーザーの好みに即した情報を提案する「レコメンド」と呼ばれるおすすめサービスでは、ユーザーの年齢や性別などの属性情報や、サイトのアクセス履歴などのパーソナル情報が利用される。しかし、こうした情報の活用に対して、一般ユーザーが感覚的に「気持ち悪さ」を感じ、不安を生じることが知られている。
今回、KDDI研究所、KDDI総研は、産業技術総合研究所と協力し、60種類の疑似サービスを開発。4422名のユーザーに疑似サービスの体験してもらい、サービスを正しく理解してもらったあとに受容性の調査を行った。
事業者の信頼性、情報開示で変わるユーザー心理
解析の結果、おすすめサービスを利用したいユーザーは37.6%、利用したくないユーザーは28.9%となった。受容性に影響を与えるサービス側の要因として、信頼度の高い事業者がサービスを提供すると利用意向が平均37.6%から55.5%まで上昇した。また、事業者が利用するパーソナル情報をユーザーが見たり消したりできる機能があるとパーソナル情報の提供意向が上昇することなどが判明した。
一方、ユーザー側の要因として、プライバシー懸念が高いユーザーでは37.4%がサービスを利用したくない(全ユーザー平均は28.9%)こと、携帯インターネットを利用するユーザーは41.9%がサービスを利用したいと感じていることがわかった。
利用したいユーザーの主な要因は「新たな発見がうれしい・参考になる」で、92.0%に達しており、利用したくないユーザーの主な要因は「必要性を感じない」で、88.0%がそのように感じている。一方、パーソナル情報の利用用途や漏えいなどに対する不安感は両方のユーザーに共通で、利用したいと考えるユーザーでも約82.0%が不安感を感じていることが判明した。
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