株式会社アイレップ、サーチエンジンマーケティング総合研究所(以下SEM総合研究所)とジャパンマーケットインテリジェンス株式会社は消費者の検索エンジン利用実態についてWeb Eye手法(以下Web Eye)によるアイ・トラッキング調査を共同で実施した。本調査は2006年9月29~10月2日にかけて東京・吉祥寺で無作為に選んだ被験者(合計76名:男性38名、女性38名)を対象に実施した。
まずは下記の画像を見てほしい。Googleと Yahoo!検索を利用中のユーザの視点データだ。
Yahoo! 検索の視線移動は「I型」と「逆L型」
Yahoo! 検索の検索結果画面における視線データについて、a.「画面上部に検索連動型広告(オーバーチュア社スポンサードサーチ)が表示されている場合」とb. 「画面上部に同広告が表示されていない場合(自然検索右側には広告が表示されている)」に分けてデータを分析。この結果、a. の場合は「I型」、b. の場合は「逆L型」に視線が移動していることがわかった。
広告が掲載されている場合に「I型」となるのは、ユーザが画面上部の広告および自然検索結果の上位付近に向けて、画面上から下にかけてタイトルの先頭部分を中心に視線が移動するため。画面右側の広告については、下部に掲載されているものよりも、上部に掲載されている広告の方がより視線が集まっていることがわかる。
一方、画面上部に検索連動型広告が表示されていない場合、Yahoo!検索上部に画面左から中央右にかけて表示される「関連検索ワード」や「Yahoo!カテゴリ」が最初に注視された後に、自然検索の1位以下が注視されるため、「逆L型」のような形となっている。「関連検索ワード」のクリック率が比較的高いことは一般的に言われてきたが、今回のアイ・トラッキング調査の結果はそれを裏付けた格好だ。
Googleの視線移動は「L型」と「E型」
Googleの検索結果画面における視線データもYahoo!検索同様に、a. 「画面上部に検索連動型広告(アドワーズ広告)が表示されている場合(自然検索の直上にアドワーズ広告が表示された場合を指す)」とb. 「画面上部に同広告が表示されていない場合(自然検索の右側にはアドワーズ広告が表示されている)」に分けてデータを分析。その結果、a. の場合は「L型」、b. の場合は「E型」に視線が移動していることがわかった。
広告の表示・非表示にかかわらず、Google利用者の視線移動は「画面左上を起点に、上から下に視線が移動する」「タイトルの先頭から最後まで注視される」傾向がある。しかしアドワーズ広告の広告タイトルは全角12文字と自然検索に表れるタイトル文字数よりも少なくなっている。このため、広告表示時に視線が上から下に移動した時、広告枠範囲内では視線が左から右にかけて広がらず、上から下に直線移動していく一方、自然検索結果の表示範囲内になるとタイトル文字を注視するために右側にも広がっていく傾向があり、それが「L型」の形を示している。
一方、画面上部にアドワーズ広告が表示されていない場合は視線が上から下に移動しつつ、タイトルを注視し、説明文を流し読みするため、「E型」(Eの横棒がタイトルを、横棒の間の空間が説明文)の視線移動を示すようだ。この結果はまた、Yahoo!検索利用者と比較してGoogle利用者はタイトル文字の内容を見てクリックする場所を決めている傾向が強いことを示している。
プレスリリース:「アイレップ SEM 総合研究所とJMI、Google、Yahoo!検索結果画面での視点データを収集したアイ・トラッキング調査を実施」