リスティング広告との連携で新たなサービス展開を目指しつつ
ユーザー企業に対するネット広告コンサルタント役としても活躍
インターネットの普及と足並みをそろえるようにネット広告も拡大し、その勢いは衰えることなく成熟期に移行しつつある。来る時代を見据え、ネット広告代理店として業界を牽引してきたアイレップも、「デジタルマーケティングエージェンシー」への成長を目標に掲げ、新たなステージへと挑もうとしている。
こうしたアイレップのこれからにおいて、重要なカギを握る部門の1つが、今回ご紹介する村上さんの所属するリスティング広告コンサルティンググループである。研究開発部門であるリスティング広告R&Dチームと、リスティングツールの管理を行なう運用管理チームの2つに分かれており、それぞれ連携しながら、「現在」のリスティング広告の課題解決はもちろん、「次世代」における新たな価値創造を目標として業務に取り組んでいる。そのプレイングマネジャーとして精力的に活動しているのが村上さんだ。
「プレイヤーとしては主にR&Dチームに軸足をおきながら、さまざまな研究・開発に取り組んでいます。たとえば、インターネット上でのユーザー行動を分析することで的確な情報を提供できる『行動ターゲティング』などの技術の進化や、iPhoneに代表されるスマートフォンといった新しいデバイスの登場など、テーマは尽きることがありません。どんどんできることは広がっていますし、アクセス解析やLPOツールなどさまざまな連携ツールの技術やトレンドにも敏感である必要がある。そうした最先端の研究は取り組んでいてとても面白いですね」
研究・開発というと、部内にとどまって地道な作業に明け暮れるといったイメージがあるが、村上さんの仕事時間の半分は人と会うことに費やされている。
「まずグループ内では、運用管理チームのツール担当者と新たなツールの企画や実現方法の検討など、さまざまな面からやり取りを行ないます。私の方からは、技術的なトレンドや情報を提供しつつ、ツール担当者は実際の運用からの問題提起を行ない、議論を深めていきます。また、グループ外でもアクセス解析やLPOツールなどリスティング広告が連携する商品を扱う社内の担当部署とも同様に情報を提供しながら、プロジェクトを進めていきます」
時には、ツールやソリューションについて、外部に制作を依頼したり、製品導入の検討を行ったり、ツールベンダーとのやり取りも少なくない。さらには、営業担当やコンサルタントに対して、研究や調査の成果を提供したり、クライアント企業に直接出向いてヒアリングやレクチャーを行なったりすることもあるという。
「営業担当者やコンサルタントから、提案についてのアドバイスを求められたり、新しいデバイスについてのトレンドを聞かれたり、相談を受けることが多いですね。情報提供やツール開発などでバックヤードから支える役割だと思うのですが、お客様のニーズや目的が変化する速度が速まっており、お伺いしたいことも、お伝えしたいこともどんどん増えています。そのため、クライアントと直接やり取りすることも増えてきました」
市場や商品、ユーザーについてはそれぞれの企業が一番知っており、マーケティング戦略もそれに基づいている。一方、アイレップもまた、デジタルマーケティングの世界で豊富な経験と実績を持つ。双方が協力し、お互いの強みを持ち寄ることで効果は最大化し、目標となるゴールに近づけると村上さんは考えている。
「たとえば、アイレップはさまざまな業種業態の企業にソリューションを提供していることから、成功事例やナレッジを汎用化し、クライアント企業へフィードバックができます。そうした情報やアドバイスを提供しつつ、クライアントのニーズにもダイレクトに触れる。その結果、スピーディに的確なソリューションを提供できればと思っています」
さらに近年は、イレギュラーメンバーとしてカンフル剤的に関わるだけでなく、クライアントのデジタルマーケティング会議への定期的な参加を求められ、長期的なプロジェクトチームの一員として参加するケースも出てきているという。
「デジタルマーケティングへの比重が高まることは、アイレップに対する期待が高まっていることの現れだと認識しています。リスティング広告を含め、デジタルマーケティングにおける豊富な知識と経験を持ち、トレンドや情報を的確に掴み、その上で、クライアントのマーケティング戦略を理解して的確なソリューションとして提案し、ゴールまで伴走していくこと。そうした活動を通じて、アイレップの目指す『デジタルマーケティングエージェンシー』の一翼を担っていきたいと思います」
さまざまな役割を担う村上さんに、自身の仕事の要となるものについてうかがうと、“構造を考えること”だという。いったいどのようなもので、どのようなスキルや能力が求められるのだろうか。(次ページへ続く)