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「日本でもソーシャルメディア責任者が増えはじめている」
ソーシャル対策を行う際に向き合うべき課題


 日本では「マーケティングでどう活用するか」という文脈からTwitterやFacebookについて語られることが多いようだが、アメリカではカスタマーサポートという観点からソーシャルメディアに取り組むことが急務な状況にあるという。そのために自然とソーシャルメディア専門チームの人員は膨らんでいき、20人以上を充てる企業もざらにあるのだとか。そんなソーシャルに注力するアメリカ企業は、どんな課題を抱えているのだろうか。数年後の日本企業の姿が、そこにはあるのかもしれない。

ソーシャルメディア対策、日米でどれくらい“当たり前”になっているのか

 Twitterの日本での利用者数は、2011年3月に1700万人を突破。Facebookも年明けあたりから急速に広まり始めた感がある。

 「ソーシャルメディアマーケティングが重要になる」という言説が見受けられるようになってしばらく経つが、日本企業のソーシャルメディアへの取り組みは、正味のところ、どれくらい進んでいるのだろうか。

 「ソーシャルメディア対策は、だいたい3段階に分けて考えられます。まず第1ステップは、お客様の声をTwitterなどで拾ってモニターしてみる。第2ステップに進むと、PRや販促キャンペーンを投げるようになる。そして最後が最も進んだ層。第3ステップではカスタマーサポートまでを行うようになります。日本の企業はほとんどが第1ステップですが、第2ステップに進み、PRや販促キャンペーンの情報を発信している企業も増えているようです」

 このように語るのはNTTコミュニケーションズ株式会社 経営企画部 マーケティング・ソリューション室 室長の塚本良江氏。

 同社は3月1日よりTwitter、Facebookのアカウントを一括管理できるツール「CoTweet」エンタープライズ版の販売を開始。塚本氏もCoTweetの説明のため、既に相当数の企業担当者と会い、ソーシャルメディアまわりの取り組みについてヒアリングしてきた。CoTweetとの縁からアメリカでのソーシャルメディア対策事情にも通じており、日米企業の内情に詳しい人物だ。

 塚本氏によると、アメリカでの内訳は第1ステップ:第2ステップ:第3ステップ=25%:50%:25%といったところ。

 日本よりはるかにFacebook、Twitterが普及し、かつソーシャルメディア上での問い合わせが桁違いに多いアメリカでは、ソーシャルメディアでの顧客とのコミュニケーションは欠かせないもの。日本企業より1歩も2歩も対策が進んでいるという。

 「問い合わせに何も対応しないと『何だ、あの企業は!』と後ろ指を指されてしまいます。何もやらないでいることのリスクが大きいのです。日本人はクレームの出し方が穏やかですので、危機感がアメリカよりも薄いのかもしれません。また、お客さまの声に真摯に対応することにより、お客さまの顧客満足度があがることも見逃せません」(塚本氏)

 顧客との対話を始めると、顧客からの問い合わせは増え、内容も高度になっていく。結果、アメリカの企業ではソーシャルメディア対策に割く人員を年々増やし、20人以上のサポートチームを組織する企業もかなり存在するのだとか。

日本でもソーシャルでのカスタマーサポートに乗り出す企業が増加

 アメリカでは第1ステップから第2ステップを経て、第3ステップへとシフトする企業が着実に増えてきているが、日本で「ソーシャルメディア対策」と言うと、まだ第2ステップのPR・販促キャンペーンを思い浮かべる人が多いかもしれない。だが、ここ1~2カ月ほどで第3ステップに踏み込みはじめた企業も増えてきているという。東日本大震災の影響だ。

 「ソーシャルでのカスタマーサポートを何十人体制でやっている日本企業はまだほとんどないだろうと思っていましたが、企業の方と話をしていると、意外とあることにビックリしています。震災でコールセンターが機能しなくなったので、とりあえずコールセンターのスタッフに兼務でもいいから対応するように、とやり始めた企業が出てきているようです。かなり急速にシフトし始めているようですね」(塚本氏)

 コールセンターを東日本にしか持っておらず、計画停電の影響で営業できない企業も現れた。保険業界やECサイト運営会社、物流企業など、その分の問い合わせをTwitterなどで対応しようとする企業が登場してきたそうだ。

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/08/31 17:46 https://markezine.jp/article/detail/13725

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