「愛される会社」になるために必要なアクティブサポート
マーケティングの第一歩は「消費者を正しく理解すること」からはじまる。これまでも、企業は様々な手法を駆使し消費者を理解しようと努力してきた。
時代は進み、ブログ、ツイッター、最近ではフェイスブックといった、自分で簡単に情報を発信できるプラットフォームが一般の消費者にも普及。その情報の中には、もちろん企業の製品・サービスに対するコメントが含まれているケースもある。
このような環境の中で、注目を浴びつつあるのが「アクティブサポート」と呼ばれる取り組みだ。「サポート」という単語から、いわゆる従来の顧客サポートの延長線上にあるような取り組みに思われる方もいるかもしれないが、それは違う。従来の顧客サポートは消費者からの問い合わせを待ち、問い合わせが来たら対応する“受動的な行為”と言えるが、アクティブサポートは消費者に対して積極的に語りかける“能動的な行為”となるのだ。
本書の中で河野氏はアクティブサポートについて次のように定義している。
アクティブサポートは疑問や不安、ときには不満を抱えている消費者をソーシャルメディア上で発見し、企業自らが能動的に、彼らに語りかけることで問題解決を図るものです。
消費者の声に耳を傾け直接対話し、問題解決を図っていく。まさにマーケティングの本質である「消費者を正しく理解する」という目的を達成するためにはうってつけだが、いざそれを実践するのは容易ではない。しかし、本書を読めば実践・実行するための道筋が見えてくるかもしれない。
本書は「ツイッターでアクティブサポートを実践する」という趣旨の元、アクティブサポートの基本的な知識から、アカウントの設定方法、運用のガイドライン作りなど解説。概念や言葉の説明だけではなく、実際に運用を行う現場担当者が知りたいと思う情報が凝縮されている。
さらに、先行してアクティブサポートを実践している、ソフトバンクモバイル担当者へのインタビューも付録に掲載。試行錯誤を繰り返しつつ、アクティブサポートに取り組む担当者の生の声は読み応え十分の内容となっている。アクティブサポートを実践する際に役立つツールやサービスの一覧も収録しているので、実用性も高い。ツイッターを使って消費者を正しく理解したいと本気で考えているマーケティング担当者の方には、ぜひ手に取ってもらいたい一冊だ。
目次
- 第1章:アクティブサポートのススメ
- 第2章:アクティブサポートをはじめよう
- 第3章:担当者を選ぼう
- 第4章:ツイッターアカウントを準備しよう
- 第5章:担当者をトレーニングしよう
- 第6章:運用を開始しよう
- 第7章:アクティブサポートのケーススタディ
- 第8章:アクティブサポートの効果指標