大日本印刷(DNP)が発行したメディアバリューレポート「家電製品の購入プロセス」では、ネット通販の急拡大に直面する家電業界を取り上げている。商品の最安値をインターネットで確認することが可能になるなか、米国では店頭で品定めをしてネットで安く購入する「ショールーミング(showrooming)」が話題となっている。
これまで値下げと店舗拡大を競ってきた日本の家電量販店にも、店頭とネットを組み合わせた販売活動を展開するなど、チェーンによって販売戦略の違いが出てきている。今回は、ネットショッピングやカタログ通販などを利用して家電製品を購入する「ネット・通販活用層」に注目し、家電製品の購入プロセスとメディア利用実態を調査・分析している。
その結果、「ネット・通販活用層」は、単に低価格で購入するためにネットを活用しているだけではなく、家電製品への関心や支出意欲が高く、新製品の情報に敏感で、常にアンテナを張っている。また、ショッピングサイトやメーカーサイト、SNSなどネット上の情報をはじめとして、幅広く情報収集して商品を吟味しているが、購入にあたっては「店頭購入層」と同様に、店頭に足を運び、店員から受ける情報が購入を決める最終決定要因となっている。
ネットショッピングがさらに定着していく中、国内の生活者の購買行動でも「ショールーミング」が広がると予想される。今後、家電量販店などの店員は、ネット上で得た多様な情報を総合的に判断してくれる相談相手としての役割や、店員のみが知る情報や専門知識を教えてくれるアドバイザーとしての役割を担うなど、生活者と良好な関係をいかにして構築するかが求められていると同レポートでは分析している。
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