グローバル インフォメーションが販売を開始した「Mobile Payments Strategies-NFC, Remote Purchases & Money Transfer 2012-2017(モバイルペイメント戦略:NFC・リモート購入・送金)」(Juniper Research発行)によると、世界的なモバイルペイメント取引数は、今後5年でほぼ4倍の1兆3000万米ドルにまで達する見込み。
NFCとは、Near Field Communicationの略であり、近距離無線通信技術のこと。かざすだけで簡単にデータのやりとりを可能にする世界標準技術。おサイフケータイやICカードで利用されているFeliCaの上位互換性を持っている。
この成長の主な理由はリモート購入とNFC取引の両方による物品の売上によるとされている。これらの取引は2017年までにモバイルペイメント全体の54%を占める見通しで、NFCのサポートインフラの拡大やモバイルコマース業者の増加によって、現在もすでに強化されている。しかしながら、この成長にも関わらず、携帯電話を通じておこなわれる物品の売上は、2017年までの世界の小売取引全体のわずか4%にすぎないと見られている。
同レポートではNFCの認識不足を指摘。NFCの価値連鎖における活動はすでに転換期を迎えており、この点についてはGoogle WalletやVeriFoneのPOS端末、事業者主導のISISおよびProject Oscarコンソーシアムなどが、主な展開として挙げられる。しかし、NFCがその潜在力を発揮するには、このメカニズムの背後のマーケティングを劇的に拡大する必要があると警告している。
レポートの著者、Windsor Holden博士は、「現在我々は非接触型のインフラの大幅な発達を目の当たりにしている一方で、消費者意識は極めて低い状態です。したがって、NFCの価値連鎖内にいる誰もが、NFCがシンプルで直感的な支払方法であることを、公にアピールすることに努めなければいけません」と指摘している。
また、当レポートでは多くの市場で国の規制やサービス間の相互運用性の欠如によりサービスの導入が妨げられているものの、国内外への送金を可能にする手段としてのモバイルの重要性の高まりについても指摘している。
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