「顧客の期待に応えるマーケティング」を実現するプラットフォームで、投資リターンを最大化する
最後にオススメしたい動画が「ビジネスに効く!マーケティングを支えるテクノロジー・プラットフォーム実践」「個客マーケティングの導入効果とは?『優良顧客候補を増やす』ためのマーケティングマネジメント最適化実践」の2本だ(リンク)。
大量データの処理速度や分析技術など、日進月歩で進化するIT技術を駆使したマーケティングを実現するには、「人的リソースの確保」「運用体制の確立」「スキルや知見の不足」など数多くのハードルが待ち受けている。中でも最大の課題は、「投資に見合った効果を得られるかどうか」にある。そもそも期待効果を示すことが出来なければ、必要な初期投資予算も確保できないからだ。
ただ、モバイル端末が普及し、口コミなどで情報武装した顧客から最大限、マーケティングの効果を引き出すには、これまでとは違うアプローチが必要になる。従来は、年齢、性別、住所など顧客のセグメンテーションで考えると、20%の顧客が、80%の売り上げを上げている、という80対20の法則が成り立っていた。そのため企業は20%の顧客をターゲティングし売り上げを伸ばしてきた。しかし今やこの比率が40%の顧客が、60%の売り上げを上げる構造に変化しているからだ。
この構造変化を踏まえてマーケティングの効果を最大限引き出すためには、マーケティングのゴールを「商品の販売」から、「顧客との関係性を育てる」に設定変更することが必要だ。つまり、「誰に」どうやって売るかではなく、「何を」どうやって売るかを考える必要がある。
商品を軸にすると、売れる、または儲かる上位顧客にばかり投資が集中する。 40%に達する中間層が消費をリードする時代にあって、上位数%程度の顧客に依存する極端な売り上げ構造による成長には限界があり、業績貢献は短期的だ。一方で、顧客を軸としたマーケティングでは、売れる、あるいは儲かる顧客を定義し、その状態に達する顧客の数を最大化することで、新規顧客の獲得や新商品投入による売り上げの成長を長期的に底上げし続ける状態を作ることができる。
顧客との関係性を育てるには、スマホ、タブレット、店舗、ダイレクトメール、Eメールなど購買チャネルの選択肢を増やすだけでなく、購買チャネル間で矛盾のないサービス、一貫性のあるタイムリーな情報提供が重要になる。だが現状、多くの企業のマーケティング活動は、Webサイト、店舗、コールセンターなど顧客との接点となるチャネル間、あるいは商品やサービスごとに部門が分断されている。
それぞれの部門で顧客情報の収集、施策検討、実行を管理していると何が起きるだろうか。たとえば、「母親へのプレゼントとしてタブレットPCを10%オフで家電量販店で購入した男性がいるとする。後日、メールマガジンで購入したタブレットPCが30%オフで販売されている情報が送られてくる。先日購入したばかりの商品がさらに安く提供されていること、また、先日購入したという顧客情報を無視した安易なおすすめ情報に怒りを覚え、今後、この家電量販店では購入しないことを決める」になるだろう。
この顧客ニーズと企業のマーケティング間にあるギャップを解消するため、企業は顧客情報を継続的、一元的に管理、活用することが必要になる。一元管理できていれば前出の男性のタブレットPC購入後の体験は劇的に変わる。
「タブレットPC購入後、後日送られてきた男性宛のメールマガジンには、タブレットPCの専用ケースの20%オフクーポンが添付されていた。お買い得、かつ便利なお知らせに、専用ケースを買い忘れていたこともあり男性はとても喜び家電量販店をひいきにするようになる」だろう。
顧客のよきパートナーとして認められ、長期的な関係を築くには就職、結婚、住宅購入 、出産、退職などライフイベントを感知し、ステージにあった情報提供を行うことも大切だ。そのためにも、顧客を「個客」としてとらえ、好きな商品カテゴリー、購入チャネル、ロイヤリティプログラムへの参加、購入履歴、カスタマーサービスの利用状況、返品・交換情報、再購入するまでの時間、メディアへの反応などあらゆる角度から情報を収集し顧客を理解するためのテクノロジープラットフォームを構築することが必要となる。
これらのアクションによって、顧客にナンバーワンのパートナーとして認められれば、売れる、あるいは儲かる顧客数がバランスよく増え、顧客基盤が強固な資産として機能することになる。これが、マーケティングの投資効果を中長期的に最大化するため最良の方法だ。
この2本の動画では、顧客中心のマーケティングを実現するためになぜプラットフォームが大切なのか、またプラットフォームの導入で実現できる、LTV(ロング・タイム・バリュー)予測ロジックに基づく広告販促費等の管理、キャンーペーンマネジメントといった具体的な事例も紹介している。テクノロジーを活用したマーケティングに興味を持つ人にはぜひご覧いただきたい。