店舗のオペレーションを最大限に高めるためのデジタルツール
また、アプリなどのデジタル・オウンドメディアの用途は単にマーケティング領域に留まりません。米国では、アプリやモバイルサイトのQRコード/バーコードを決済認証媒体として活用し、レジは無人で、コンソールとスキャナーがあるだけ、といったかたちの「セルフチェックアウト」という方式が浸透し始めています。この領域でもっとも野心的に施策を打ち出している企業のひとつがウォルマートです。

ウォルマートでは、2013年末の時点で約3000台のセルフレジ端末を設置しています。一部の店舗では、買物しながら、なかば会計ができてしまう“Scan&Go”と呼ぶサービスも開始しています。ユーザーは買物をしながら商品のバーコードをスキャンし、アプリに商品を登録していきます。合計金額が表示されるので、予算をオーバーしてレジでびっくり!ということもありません。最後にセルフレジで、アプリに表示されたQRコードを読み取り、支払いボタンを押せば完了です。
これまでは、レジに並んで、係のひとがひとつひとつ商品を登録(register)していく作業を待っていました。しかしセルフレジの登場によって、買う人自身が登録作業を行えるようになり、Scan&Goでは、買物という行為に会計という作業のほとんどを組み込んでしまいました。レジの前にできる長い待機列の解消、レジ係の人件費の削減はもちろん、これが浸透すれば顧客情報や店内における導線を追うことなども可能になり、より精度の高いマーケティングも実現可能になると考えられます。
USのファストフード業態においてもこの取り組みは進んでおり、スターバックスだけでなく、ダンキンドーナツもアプリ内でのモバイル決済機能を提供していますし、バーガーキングでは、ドライブスルーでの支払にもQRコードを取り入れ、オペレーション速度の向上に取り組んでいます。