アベノミクスへの期待感から、2013年の株価は回復基調で推移し、新規株式上場(IPO)を取り巻く環境は好転。2014年のIPO件数は増加が見込まれる。今年3月にはジャパンディスプレイ、日立マクセルが上場。さらに西武ホールディングスの上場が承認されるなど、中堅・ベンチャー企業のみならず大手企業の上場も相次いでいる。
IPOの意向を持つ企業属性を業種別に見ると、前年調査に引き続き「サービス業」が50.1%と過半数を占めた。なかでも情報サービス業の割合が高く、全体の21.8%を占めている。本社所在地域別では「関東」が57.3%、なかでも「東京都」の割合が全体の44.4%と一極集中の状況が続いている。
IPOの目的についてたずねたところ、「知名度や信用度の向上」と回答した企業が301社(構成比 74.7%)でトップとなった(複数回答)。「人材の確保」(207社、同51.4%)が2番目に多く、「資金調達力の向上」(192社、同47.6%)が続いている。
IPOの予定時期について「未定」と回答した企業は201社(構成比 49.9%)。2014~2018年までの今後5年以内にIPOを予定している企業は144社(同 35.7%)あり、2016年にIPOを予定する企業が52社(同12.9%)と最も多くなっている。
予定市場(複数回答)については、「東証マザーズ」を予定する企業が186社(構成比 46.2%)を占めトップとなった。これに「JASDAQ スタンダード」が89社(同22.1%)で続き、IPO 検討企業の多くが新興市場を最初の市場として予定している。「未定」も107社(同 26.6%)あり、現時点で上場予定市場が明確に決定していない企業の存在も浮き彫りとなった。
【調査概要】
調査対象:下記(1)~(3)のうち、いずれかに該当した未上場の4,064社
(1) 前回調査(2013年)において、IPO の意向を確認済み
(2) 帝国データバンク「企業信用調査」において、IPO の意向を確認済み
(3) ベンチャーキャピタルからの出資を確認済み
調査期間:2014年3月5日~3月19日
調査方法:調査票の郵送
回答数:1,260社(回答率31.0%)
分析対象:IPO意向が「ある」と回答した403社
【関連記事】
・フェイスブックがIPO申請、50億ドル調達へ
・サントリー食品インターナショナル、東証に上場
・上場準備のはてな、CFOを公募
・データマイニングのブレインパッド、東証一部へ市場変更
・広告関連業者の倒産、ピーク時から2割減、小規模業者は苦戦【帝国データバンク調査】