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事例で探る!デジタル時代の「共創マーケティング」

商品開発だけじゃない! いま注目される「共創マーケティング」とは?

なぜ今、「共創」なのか

 コミュニティを使った共創マーケティングが注目されるのには、以下の2つの理由があります。

注目される理由

 理由1:企業と生活者の関係が変わり、新しい商品開発・リサーチ手法が求められている
 理由2:生活者とコミュニケーションをとる土壌ができた

企業と生活者の関係が変わり、新しい商品開発・リサーチ手法が求められている

 マーケティング3.0で語られる価値主導のマーケティングのように、企業が生活者に商品を提供するだけの存在ではなく、価値を共に作る存在となることが求められています。また、商品のコモディティ化、ニーズの高度化など理由は様々ですが、以前に比べて売れる商品をつくることは難しくなってきています。この課題を解決するために、観察調査(エスノグラフィー)やデザイン思考など、新商品コンセプトのアイデアを生活者の中から探しだそうというアプローチが注目されています。

 共創マーケティングでは、生活者の中でも、そのブランドに高いアドボカシー(熱心な支持)を持つコアファンに注目し、彼らとの対話を通して、リサーチや新商品コンセプトのアイデアの種(仮説)を見つけ出します。また、商品開発を行う場合は発売前から新商品のファンをつくれるメリットもあります。

 そのため、特にメーカーが自社で運営するECサイト用の商品を開発するために、共創マーケティングを取り入れるケースも増えています。メーカーがECサイトをオープンしても、店頭で売っている商品と同じものを扱っても目新しさがありません。いつでも近所の店舗で買える上に、多くの場合、価格もスーパーなどに比べて割高になるため、思うように売れません。そのため、ECサイトには「ここでしか買えない」といったWeb限定商品の開発が求められます。また、ECサイトでの販売を前提にするため、限られた販促予算で商品を知ってもらい、販売する必要もあります。この課題を解決するために、Web限定商品をコアファンと共に開発し、販促までを共に行う手法が注目されています。

生活者とコミュニケーションをとる土壌ができた

 共創マーケティングには、協力してくれる顧客の存在が不可欠です。ここ数年のソーシャルメディアの普及と企業活用の広がりにより、FaecbookやTwitterなどを活用して、企業と生活者が直接コミュニケーションを行い、顧客とのエンゲージメントを醸成してきました。また、生活者一人ひとりのクチコミの影響力も大きくなっています。

 そのため、すでにソーシャルメディアでファンとのコミュニケーションを成立できている企業は、これまで積み上げてきたエンゲージメントを活かして、リサーチや商品開発のアイデアをもらうなど、より価値を高めることができる状況にあるのです。

 このように、共創マーケティングは、リサーチ・商品開発から顧客とのコミュニケーションまで幅広い領域のマーケティング課題に対応する手法です。このため、「どの部署が主管するのか」、「どの目的を重視するのか」によって施策は大きく変わります。次回以降は、事例を交えながら具体的な施策を紹介していきます。

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この記事の著者

宮本 昌尚(ミヤモトマサナオ)

 株式会社トライバルメディアハウス 共創マーケティング部 部長。アクセンチュアのITコンサルタントを経て現職。ソーシャルメディアの黎明期から、ソーシャルメディアマーケティングの戦略策定や、オウンドメディアのソーシャル化支援、リスク対策、国内外のFacebookページ構築運用支援のプロジェクトマネージャーを勤める。その後、共創マーケティング部を立ち上げ、コミュニティの戦略策定から商品の企画提案を担当。過去に担当したクライアントはキリンビール、KFC、P&am...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/22 12:00 https://markezine.jp/article/detail/20609

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