SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Online

インサイト活用のプロ・米田氏と紐解く、実践的インサイト活用法

Z世代を突くgreen colaと疲労に寄り添う三ツ矢サイダー。時代を捉えるブランディング

 地域や時代によって変わりうるインサイト。どのように捉え、ブランディングやプロモーションへと活かしていくべきか――。P&Gの消費者インサイト・市場戦略関連部門で数々のインサイト活用を行ってきた米田恵美子氏による本連載。今回はアサヒ飲料の新ブランド「green cola」と、142年の歴史を持つ「三ツ矢サイダー」という対照的な2ブランドを取り上げる。それぞれの担当者が実践の様子を明かした。

飽和するコーラ市場に進出!「green cola」を日本展開

画像を説明するテキストなくても可
インサイト・ピークス 代表取締役社長 米田 恵美子氏

米田:まずはお二人のご経歴と現在の役割を教えてください。

山下:2022年に入社し、最初に三ツ矢サイダーのリニューアルを担当しました。約20年ぶりの刷新ということもあり、大きな責任のあるプロジェクトでした。現在は三ツ矢ブランドに加え、green colaなども含めた炭酸カテゴリー全体を統括しています。

山上:2010年に入社し、営業を約10年経験した後、マーケティング部門に異動しました。現在はgreen colaの商品開発から戦略設計、プロモーションまで一貫して担当しています。

画像を説明するテキストなくても可
(写真左)アサヒ飲料 マーケティング本部 マーケティング一部 炭酸グループ グループリーダー 山下 美樹 氏
(写真右)同グループ プロデューサー 山上 尚記 氏

米田:今回、植物由来の素材を使用したコーラ「green cola」を日本で展開されます。山上さん、まずはその特徴を教えてください。

山上:green colaは2012年にギリシャで誕生したコーラです。創設者が「健康的で美味しい、これまでにないコーラを作りたい」という想いから立ち上げたと聞きました。2016年頃からグローバル展開を開始し、現在は50以上の国と地域で販売されています。キーメッセージは「Try it once, love it forever(一度飲めば、ずっと愛せる)」。味と思想の両面への自信が込められた言葉です。2026年5月12日より、1都3県のコンビニエンスストア限定で日本展開をスタートします。

画像を説明するテキストなくても可
クリックすると拡大します

米田:なぜ日本への展開を決めたのでしょうか。

山上:日本のコーラ市場は、既存ブランドが約9割のシェアを占めています。当社は「炭酸のアサヒ」を謳って炭酸カテゴリーに力を入れていますが、コーラ市場は長年攻略できていないという課題がありました。過去にも商品投入を試みましたが、既存品とポジショニングが重なったり、一過性のブームで終わったりして、定着には至らなかったのです。

 そうした中、たまたま海外の展示会レポートを読んでいたときにgreen colaに出会い、既存のコーラと明確に差別化できるのではないかと考え、アプローチを開始しました。特に重要だったのは味です。海外発の商品でありながら、日本人に馴染みのある味わいで、可能性を感じました。

山下:これまで三ツ矢サイダーブランドの傘下でクラフトコーラを出したこともあった中、海外ブランドを持ってくることには、当然議論もありました。

 ただ、green colaとしてはアジア初進出ということもあり日本進出に非常に前向きで、良い関係性を築けています。昨年、私たちはギリシャに行って向こうの文化や売り場を教えてもらい、逆に日本にも来ていただいて日本の文化や営業現場を見てもらいました。相互理解の上でリリースの準備を進められたと感じています。

「このメッセージでは難しい」日本の価値観とのズレ

米田:今回は海外ブランドを日本で展開する形になりますが、一過性で終わらせず定着させるために、日本人のインサイトにどのように入り込もうと考えましたか。

山上:海外でのgreen colaは「砂糖・カロリー・保存料すべてにNO」という、明確で強いメッセージを掲げています。機能的にもわかりやすく、グローバルでは支持を得ているのですが、日本でこのまま展開するのは難しいと判断しました

 というのも、日本では「NO」という強い否定の言葉が、ストイックさや意識の高さと結びついて受け取られやすく、日常的に手に取る飲み物としては受け入れられにくいと考えたためです。

 そこで、日本人の価値観に合わせてメッセージを再設計しました。

次のページ
国民性を捉え直す。Z世代の価値観と交わる「翻訳」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
インサイト活用のプロ・米田氏と紐解く、実践的インサイト活用法連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

こまき あゆこ(コマキ アユコ)

ライター。AI開発を行う会社のbizdevとして働きながら、ライティング業・大学院で研究活動をしています。
連絡先: komakiayuko@gmail.com

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/04/13 07:00 https://markezine.jp/article/detail/50608

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング