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電通グループのAI戦略が構想から実装フェーズへ。新フレームワーク「PSDCA」とプロダクト群を発表

 dentsu Japanは2026年5月、AI戦略「AI For Growth」を「3.0」へアップデートすると発表した。マーケティングのAIネイティブ化という構想を"1年前倒し"で実現しつつあるとし、新たなマーケティングフレームワーク「PSDCA」、専門AIプロダクト群「AI For Growth Suite」、そして企業間でAIエージェントが連携する将来構想を公開した。

AIネイティブ化を"1年前倒し"で現実に

 冒頭に登壇した電通グループ 代表執行役 社長 Global CEO兼dentsu Japan CEOの佐野傑氏は、グローバル全体のAI戦略「AI For Growth」のコンセプトを改めて説明。AIを単なる効率化・最適化ツールではなく、その先にあるクライアントの成長と変革を支援する存在——Opportunity beyond Optimization——と位置づけ、クライアントの成長支援を通じたグループの収益基盤にするという基本姿勢を強調した。

電通グループ 代表執行役 社長 Global CEO/dentsu Japan CEO 佐野傑氏
電通グループ 代表執行役 社長 Global CEO/dentsu Japan CEO 佐野傑氏

 dentsu JapanのAI戦略「AI For Growth」は、段階的に進化してきた。2024年8月に「AIと高め合う」というビジョンを掲げてスタートし、2025年5月には「マーケティングのすべてをAIネイティブ化する」構想(2.0)を発表。そして今回の3.0が意味するのは、構想を現実に落とし込む「実装フェーズへの移行」だと佐野氏は語る。

 「2027年の未来像として描いていたマーケティングのAIネイティブ化が、1年前倒しで現実になりつつあります」(佐野氏)

 社内での進捗は既に数字に表れている。現在、dentsu Japan社内では4,500以上のAIエージェントと1,300以上のAIアプリが稼働。2025年度の業務創出時間は年間10.7万時間を突破し、2026年度は20万時間超を見込むという。また、クライアント・パートナーへのAI変革支援も200件以上の実績を積み上げており、2026年度には1,000件を目標に掲げる。

「PDCA」は「PSDCA」へ

 今回の発表の核心とも言えるのが、電通 執行役員(マーケティング担当)の貝塚康仁氏が説明した新しいマーケティングフレームワーク「PSDCA」だ。従来の「PDCA(Plan→Do→Check→Action)」との違いをひと言で表すなら、「Doの前にSimulateを挟む」プロセスへの転換である。

 従来のPDCAには、構造的な限界があった。どれだけ精緻な計画(Plan)を立てても、実際の生活者や市場の反応は「Do(実施)」してみなければわからない。新商品でも、広告キャンペーンでも、コストと時間をかけて市場投入して初めて、仮説が正しかったかどうかが検証できる——それがマーケティングの長年の制約だった。

 この課題を解決するためのキーインフラが、dentsu Japanが独自開発した「AI Market Twin」だ。製造業では、実際に製品をつくる前にデジタルツイン上で仮説検証を繰り返す「シミュレーション設計」が一般化している。AI Market Twinはこの発想をマーケティングへ移植したものだ。

 具体的には、dentsu Japan独自の大規模生活者データをもとに、市場ごとに異なる購買行動や意思決定プロセスを持つAIペルソナ群を構築。このAIペルソナたちが集合することで「仮想の市場全体」が形成される。マクロな市場トレンドの把握と、ミクロな個々の購買ジャーニーの再現が同時に可能になるという。

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「AIによる思考の同質化」の壁を超える、2つ目のエンジン

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2026/05/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/50823

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