「キーワード一致」から「意図理解」へ。検索とAIに共通する進化
昔の検索エンジンは、ユーザーが入力したキーワードとWebページに含まれる単語の一致度を重視しており、「キーワード詰め込み」のような手法が通じやすい時代でした。しかし、2012年にGoogleが導入した「ナレッジグラフ」を境目に、この考え方は大きく変わっていきます。
ナレッジグラフとは、世の中の人・企業・場所・製品などを「どんな存在で、何と関係しているか」という形で整理したデータベースです。たとえば「スターバックス」であれば「コーヒーチェーン」「アメリカ発祥」「全国に店舗あり」といった属性情報が紐づいています。
Googleはこのデータベースを使うことで、単語の一致だけでなく「この検索は何を求めているのか」を理解した上で結果を返せるようになりました。
さらに2019年には「BERT」と呼ばれる自然言語モデルが導入され、文章の前後の文脈から検索意図を読み取る精度が大きく向上。例として、「マツダ 新型」という検索に対し文脈から「人名の松田ではなく、自動車メーカーのマツダについて知りたい」といった判断が可能です。

2019年以降においても、Googleはキーワードだけでなく「ユーザーが何を知りたくて検索したのか」という背景や目的までを推測して、最適な答えを提示するよう進化しています。
Googleが検索意図を理解するための概念「エンティティ」とは
Googleは言葉を単なる文字の羅列ではなく、固有の「モノ」として認識しています。この認識の対象となる個々の要素を「エンティティ」と呼びます。たとえば「トヨタ」という言葉は、自動車メーカーのトヨタ自動車なのか、愛知県の豊田市なのか──Googleはこれらをそれぞれ別のエンティティとして区別しています。
各エンティティには業種・所在地・関連する製品や人物といった属性情報が紐づいており、Googleはこれをもとに「この検索にはどのエンティティが関連するか」を判断して結果を返しているのです。
「SEO会社 おすすめ」と検索した場合、Googleは「SEO会社」という業種エンティティと「比較したい」「評判の良い会社を知りたい」といった検索意図の関係性を踏まえて、ユーザーのニーズに合った情報を表示しようとします。
そのため企業にとっては、「自社がGoogleにどんなエンティティとして認識されているか」が重要です。たとえば「ナイル株式会社=SEO・LLMOコンサルティングの会社」という認識がGoogleに確立されていれば、SEO関連の検索で適切に評価されやすくなります。逆に認識が曖昧なままだと、コンテンツの質に関わらず正しく評価されない可能性もあるでしょう。
