広告業界で数々の変革を提唱してきた横山隆治氏による連載。広告会社のOSのアップデートを説いた第1回に続き、第2回は事業会社のマーケティングOSにフォーカスする。AIによる変革期が訪れている今こそ、マーケティング・宣伝部・経営とすべてのOSを一貫してアップデートするチャンス。「とりあえず」でAIを導入する前に、自社組織のOSに目を向けてみたい。
AI時代におけるマーケティングOSの再設計
企業のマーケティングがうまくいかない理由を問えば、「戦略が悪い」「人材が足りない」「予算がない」といった答えが返ってくるのが常です。しかし、私はそれらはすべて“表層の問題”に過ぎないと考えています。本質はもっと深いところにあります。結論から言えば、マーケティングの“OS(オペレーティングシステム)”が古いのです。
企業のマーケティング活動は、日々繰り返される無数の意思決定の積み重ねで構成されています。「どのターゲットに向けるか」「どのメッセージを使うか」「どのメディアに投資し、どのKPIで評価するか」――これらの意思決定の裏側には、必ず“暗黙のルール”が存在します。それが、私の言う「マーケティングOS」です。
人は戦略的に動いているつもりでも、実際にはこのOSが規定するルールセットに従って判断を下しています。
そして残念ながら、多くの企業において、このOSはいまだに「テレビCM中心の時代」のまま止まってしまっているのが現実です。
なぜOSのアップデートが必要なのか
周知の通り、現在のマーケティング環境は構造そのものが激変しました。
- SNSによる受け手主導の情報流通
- コンバージドTV(放送と通信の融合)による視聴体験の変質
- リテールメディアによる購買接点の可視化
- AIによる意思決定の自動化
メディアも、生活者も、購買行動のプロセスもすべてが変わった。にもかかわらず、企業の意思決定を司るOSだけが更新されていない。この“ねじれ”こそが、現代のマーケティングにおける非効率の正体です。
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横山 隆治(ヨコヤマ リュウジ)
横山隆治事務所 代表取締役
ベストインクラスプロデューサーズ 取締役 ファウンダー
トレンダーズ 社外取締役1982年青山学院大学文学部英米文学科卒業。同年、旭通信社(現・アサツー ディ・ケイ/略称:ADK)に入社。インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、日本国内でメディアレップ事業を行う専門...
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