ランサーは一人じゃない。チームで働く新しいフリーランスのかたち
新しい取り組みには、どのようなものがあるのでしょうか。
潮田 今年1月に始めた「ランサーズ for Business」は、Web制作に必要な大量のコーディング、コンテンツ・記事作成やバナー制作などをランサーズが受注することで、企業が簡単に一括発注できるサービスです。私たちがランサーの方々を束ねてマネジメントするのですが、いまこのニーズが高まっているんです。
もうひとつの「ランサーズマイチーム」は、ランサーどうしでオンラインチームを作成し、チームで仕事を引き受ける仕組みです。リーダーが作りたいチームを考え、ランサーズ上でメンバーを追加することができます。
これは昨年の12月に始めたサービスなのですが、開始から約半年でチームとして仕事を受注する事例が出てきました。沖縄のチームなのですが、リーダーは自分で会社を経営している方で、フリーランスの翻訳者とコーダーとデザイナーを束ねて仕事をしています。
チームに仕事を依頼するメリットは何でしょうか。
潮田 アプリを開発する案件の場合、個人ではなくチームに発注することで、デザインからコーディングも含めて、ひとつのアプリが完成するところまで依頼できる。これがクライアント側のメリットです。
ランサーにとってのメリットもあります。たとえばライティング案件の特徴として、記事を1本だけ書いてくださいという場合もあれば、200本、300本書いてくださいという場合もある。1人で200本、300本記事を書くことは難しいですよね。
それをチームで受注することで「1人10本ずつ」というかたちで割り振ることができる。これによって受注する金額も大きくなるし、仕事の量も多くなる。大阪にある主婦の方々のチームが、実際にこのやり方でたくさんの仕事をこなしています。
企業の側も変わりつつある
ランサーズは企業とともに、広告デザインや会社のロゴマークなどを募集するコンテストを行っています。クリエイティブの発注に関して、企業側の意識も変わってきているのでしょうか。
潮田 大手企業の集合知を使った商品企画やマーケティングはかなり広がっています。今年4月に行なったサイボウズの企業ロゴ新デザインの募集では、ランサーズ史上最高の1431件の応募がありました。
また、スターバックスの「My Starbucks Idea」のように、消費者の声を聞いて商品化する、集合知を使って商品化する流れも時代の背景としてあると思います。