そもそもネイティブ広告とは
MarkeZineの連載を書籍化した『ネットで「効く」コピー』刊行を記念してお送りする特別企画「ネットの表現を探る」。第二弾では、国内初のネイティブ広告プラットフォームを立ちあげたことで知られる、ログリー代表の吉永浩和氏に「ネイティブ広告」についてインタビュー。ネイティブ広告が注目された背景、メディアと広告、コンテンツをめぐる新たな動きについてお話をうかがいました。
そもそも、ネイティブ広告という考え方はなぜ生まれたのでしょうか。
吉永 アメリカで2年ぐらい前に出てきたのがはじまりだと思うんですけど、ネイティブ広告のマップの中に分類されてる事業者というのは、それ以前からそのビジネスをしていたんですね。ただ、その頃は「ネイティブ広告」という呼び方は一切誰もしていなかったし、されてもいなかった。
じゃあなぜ、「ネイティブ広告」という言い方が出てきたのかを考えると、「ディスプレイ広告じゃない広告」というのをひとまとめにした側面があるのかなと思っています。メディア側がやるもの、プラットフォーム側がやるもの、それぞれのネイティブ広告に共通して言えるのは「媒体に自然に出す」という側面。ゆえに「自然に」っていうところを「ネイティブ」と言うようになったと言われています。
だから、Facebookの広告も、Outbrainのレコメンデーションも、Googleの検索結果ページに出てくる検索連動型広告も、それぞれがその媒体の中に自然に出てるという意味では、ネイティブ広告なんです。
日本だと「ネイティブ広告=記事広告」と見られたり、広告から飛んで行った先のページのことを重視するケースが非常に多いのですが、そうなると、GoogleやYahoo!の検索連動型広告がネイティブ広告に分類される理由が見えなくなる。米国を中心とした世界でのネイティブ広告というのは、「自然に見せる広告」のことと定義されていて、どちらかというと、飛んで行った先というよりも、飛んでいく元の広告枠のほうがネイティブ広告なんですよね。
ファンクションと合わせる
ネイティブ広告に関しては、IABのプレイブック(IAB Native Advertising Playbook)が6つの分類を示しています。しかし、それを見てもなお、わかったようでわからないという人が多いと思います。
吉永 あの資料では6つも分類があるし、最終的には「カスタム」っていうカテゴリーがあるんですよね。つまり何でもあるっていうような状況になっている。そこが非常に話を難しくしてるし、より複雑にしてるのかなと思います。
ただ、先ほども言ったとおり、ネイティブ広告は枠の話であり、媒体の持っているデザインといかに統合されるか、つまり自然に見せるかというポイントがあります。あと、これもちょっとわかりにくい表現かもしれませんが、プレイブックでは「ファンクションと合わせましょう」っていう表現がされている。「ファンクション」って日本語では「機能」ですけど、ブロックとか、コンポーネントとか言ったほうが近いかもしれない。
機能面からもネイティブ広告について分析しているんですね。
吉永 例えば、検索連動型広告がネイティブ広告に分類されている理由というのは、検索結果ページに出てくる検索連動型広告は、それ自体がインデックスになっているからなんです。
じゃあ、エディトリアルなサイトにおけるファンクションとは何か。ニュースサイトや読み物のサイトにユーザーが期待するものは「コンテンツ」じゃないですか。ネイティブ広告は見た目を合わせると同時に、それが持っているファンクション、つまりユーザーが期待するコンテンツに飛ばすっていう役割が重要なんですよね。
だから、ニュースサイトや読み物中心のサイトでのネイティブ広告というのは、コンテンツが重要視されているわけです。日本では、この側面がごっそり抜け落ちている。だから、記事広告やタイアップと何が違うのって話になるんですけども。
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