ついに日本でもSVODが本格化
前回、2015年は音楽ストリーミングサービス元年だという話題をお伝えしましたが、日本にとっては、去年はSVOD(定額制動画配信)元年でもあったといえます。それは、世界最大級のシェアを誇るSVOD界の黒船、「Netflix」が遂に上陸したこと、それにアマゾン・プライム・ビデオが開始されたことによって決定的なものとなりました。
一方、SVOD先進国アメリカでは、YouTubeによる有料サービス「YouTube Red」が開始されるなど、同業界はにわかに活気を見せています。今回は、日本への影響なども含め、今後のSVOD界の動きについて考えてみたいと思います。
「SVOD」「TVOD」「EST」の違いわかりますか?
話を進める前に、まずは用語の整理を行いましょう。動画配信サービスを表現する際に使われる、「SVOD」「TVOD」「EST」という言葉。ITやデジタルマーケティングにありがちな省略単語で、思わずアレルギー反応を起こしてしまいそうです。でも大丈夫、意味が分かれば大したことはありません。
それぞれ次の略で、iTunesやレコチョクなどのユーザの方は、すでにこれらの利用経験者ということになります。
- Subscription Video On Demand=定額制動画配信
- Transactional Video On Demand=都度課金制動画配信
- Electronic Sell Through=ダウンロード販売
この中でも現在、特に話題となっているのがSVODでしょう。前述のNetflixは世界190ヶ国以上で展開。会員数7,500万人超、2015年10~12月の四半期売上が2,000億円を超えるなど、すでにモンスター級のサービスとなっています。