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Web×店舗データ活用がもたらす顧客満足度の向上~スリムビューティハウス、「B→Dash」導入の狙い

 大手エステサロンのスリムビューティハウスは今年、フロムスクラッチの次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」を導入した。各マーケティング施策の最適化やエステティシャンの顧客対応の効率アップなどによるLTV向上を1番の目的としつつも、「社内で抱えていた経営課題も解決できる」と同社常務取締役 西坂翼氏は語った。

広告の最適化と、顧客満足度アップ目指す

 スリムビューティハウスは、東洋医学の「陰陽論」「五行説」「気・血・水」「三毒」の理論をベースとした独自の「オリエンタルエステ」を開発。全国に70店舗を展開する国内大手エステサロン企業である。

株式会社スリムビューティハウス 常務取締役 西坂翼氏

 同社で常務取締役を務める西坂氏は、スリムビューティハウスの海外事業を担当した後、現在は国内で広告やマーケティング業務を主軸に社内統括を行っている。

 同社はマーケティング面において、2つの課題を抱えていたという。

 1つは広告のパフォーマンスを測る集客データと、各店舗が持つ顧客対応に関する実績データの統合ができていないこと。もう1つは顧客を増やす上で重要なカウンセリングに、顧客データを活かせていないことである。

広告と店舗の顧客情報をつなげてLTVを最大化

 同社を含むエステ業界のマーケティング施策は、これまでのテレビCMや新聞をはじめとしたマスでのアプローチから、測定ができるデジタルへの移行が急速に進んでいる。

 「地方向けの施策として、地方新聞紙に出稿することもありますが、他はほぼデジタルですね。SEOやリスティング、アフィリエイトなどの施策を行っています」(西坂氏)

 B→Dash導入以前、同社の広告施策では毎月決まった予算を取り、良し悪しはROASで判断していた。しかし、広告施策と店舗での顧客対応の情報が組織として分断されているため、広告部隊では顧客が契約からコース解約するまでのLTVを追うことができず、“初回予約に繋がったかどうか”が唯一の効果測定指標だった。

 店舗部隊としても、70店舗分の細かい数字を常に把握することは難しく、店舗単位での課題を導き出すことがそもそも難しかった。

 「広告と店舗の分断した組織をつなげてLTVを最大化させること、担当者が顧客満足を考えて仕事をできるようにすることが、B→Dashに期待することでした」(西坂氏)

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データを使って、顧客が求めるサービスを

 データの分析以外にも西坂氏は、「CRMや店頭での顧客へのカウンセリングにもB→Dashを活用していきたい」と語る。

 西坂氏によれば、エステティシャンが画一的な内容のプランを提案してしまうケースが多いと言う。

 「本来、お客様によってエステに求めるものは違います。お客様の状況やご要望に沿ったメニュー提案をしなければお客様は喜びません。B→DashでCRMデータを共有し、マーケティングオートメーション機能やレコメンド機能を活用してお客様に合ったメニューをご紹介したり、担当のエステティシャンに提示したりすることで、お客様へ最適な提案が可能になると考えています」(西坂氏)

 また、一定期間来店がなければメールを配信するといった顧客へのリマインドも自動で行える。手動で対象の顧客リストを都度リストアップするといった手間が省け、人的なミスも減り、大きなメリットを発揮している。

コストメリットとサポート体制も大きな魅力に

 次に、数あるマーケティングツールから、フロムスクラッチの次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」に決めた理由について、西坂氏は3つにまとめた。

 1つ目は、マーケティング施策のデータやWebのアクセスログ、店舗のデータが一元的に統合でき、LTVを簡単に追えるところだ。西坂氏は「これが導入を決めた最大の理由」と語る。

 B→Dashは、もともとの製品設計思想が“データの一元的な取得・統合・活用を可能とすること”であるため、1つの画面や基盤で全てのデータを扱え、分析から施策活用までシームレスに行うことができる。

 2つ目は、コストメリット。以前はマーケティングツールを複数利用していたが、その総額とB→Dashとでは、ランニングコストが変わらなかったのだ。

 「もちろん初期投資はあるものの、機能やできることが以前に比べて圧倒的に増えるのに、維持費が変わらない。これはやるしかないと思いました。さらに、フロムスクラッチさんは財務的にも安定している企業で、長期的に良いサービスを提供してくれると思い、今後の成長にも期待できました」(西坂氏)

 最後の3つ目に関しては、手厚いサポート体制を挙げた。B→Dashのようなマーケティングソリューションの導入は初めてだったが、導入もスムーズに進んだという。

 「フロムスクラッチさんのコンサルタントは、マーケティングとシステムの両方に長けていて、サポートも手厚いです。我々のレベルに合わせてプレゼンテーションしていただけるため、専門用語もほとんど出てこない。どうしてもデジタル領域の話になると横文字が増えてしまう中で、わかりやすく説明しようという姿勢がとてもうれしいです。

 通常であれば、ベンダー企業とサポート企業は分かれていることも多いと聞きますが、フロムスクラッチさんは1社でトータルサポートしてくれます。そのため、改善に向けたアクションプランや要望がすぐに反映されるため、とても助かっています」(西坂氏)

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現場も使えるUI/UX

 データの分析以外にも西坂氏は、「CRMや店頭での提案にもB→Dashを活用していきたい」と語る。

 「LTVの最大化に近づけそうなデータプラットフォームの基盤を持っていたことが1番の魅力でしたが、レポートがボタンひとつで作成できる点も評価しています。簡単に作成できるのはもちろん、グラフなどにまとまっていて感覚的に良い点と悪い点が把握できるのは魅力でしたね。

 これにより、本部での活用はもちろん、接客など他の仕事もしなければならない店舗のマネージャーでも分析できますからね。エステ業界ではマーケターだけでなく、現場が一緒になってレポートを使えるかどうかも運用において重要となってきます」(西坂氏)

最終的には、従業員の定着率アップにも

 安定して利益を出すこと。これがB→Dashに最終的に求める成果だ。広告代理店任せにせずに、自社でデータを見てスピーディーに施策を改善し、集客を安定させて広告費を削減する。また、顧客データを最大限活用することで、顧客対応効率が上がり、従業員は施術に集中でき、顧客満足度を向上することができるという。

 「我々のようなサービス業において、従業員は宝といっても過言ではありません。従業員がサービスそのものに集中できる環境作りをマーケティングでサポートできれば、彼女たちの技術力、定着率は向上します。それにより顧客満足度も上がり、新たに利益が生み出せるという良い循環になるんです。

 こう考えると、B→Dashがマーケティングだけでなく、今後は経営の中心となるプラットフォームになる可能性を秘めています」(西坂氏)

海外展開も視野に入れる

 最後に、海外展開においても、B→Dashに期待しているという。セキュリティ面も強固なため、海外からもデータが安心して見られる。その上、海外店舗からレポートを送ってもらわずとも、好きなときにデータ閲覧が可能になる。

 「これまで、中国の店舗のレポートをもらう際、現地担当者とのメールのやりとりがすごく手間になっていました。B→Dashは今後、言語対応も積極的に強化されていくとのことなので、海外でも使えるアップデートを待ち望んでいます」(西坂氏)

 スリムビューティハウスは今後、統合データを活用しメールマーケティングと店舗での顧客対応の両方でのOne to Oneマーケティングを加速させ、顧客への最適な提案を実現しLTV向上を目指していく。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/12/21 12:00 https://markezine.jp/article/detail/25667