マーケティング活動における「キーワード戦略」の重要性
ネットメディアやニュースアプリ、SNSが人々の情報ソースとして着実に存在感を示すにつれ、企業のマーケティング活動における「キーワード戦略」の重要性が高まっています。「キーワード戦略」とは、コミュニケーションプランニングの軸として「キーワード」を設計することで、効果的な情報拡散と認知獲得・態度変容を図る戦略を指します。
「キーワード戦略」への注目が一気に高まったのは2008年。『「婚活」時代』という書籍のヒットを皮切りに、結婚を目指す活動を指す「婚活」という新語=キーワードは一気に広まり、新語・流行語大賞にもノミネートされました。「婚活」は翌年の2009年にも「弁当男子」とともにノミネートされ、同時に「草食男子」がトップテン入り。そして2012年には「終活」がノミネートされるなど、2008年以降は「○○女子/男子」「○活」といったキーワードが続々と誕生し、まさに「キーワード戦国時代」へと突入したといえるでしょう。
キーワードがマーケティング的観点で求められる理由
これらの新語・造語=「キーワード」がマーケティング的観点で着目されるようになった大きな要因は2つあります。1つ目は、ネットの膨大な情報量の中で読者のアテンションを獲得するために「キーワード」自体が担っている重要な役割。そして2つ目は、「キーワード」の普及が「態度変容」までも引き起こすという点にあります。
たとえば「婚活」というキーワードが普及することにより、あまり公然と語られることのなかった「結婚を目指して行う一連の活動」が積極的に発信されるようになりました。その結果、「婚活」はポジティブなイメージに転換され、それまで二の足を踏んでいた「WANT」層がアクションを起こしやすくなりました。そして「婚活」の認知が広まることで一種の常識といえるまでに“世の中ゴト”と化し、ある層にとっては「MUST」と認識されるまでの態度変容に繋がりました。
ちなみに前述のいずれのキーワードも、その使い手の中心は女性です。論理的というより直感的に動くことが多く、トレンド=世の中ゴトに敏感な女性の心をつかみ動かすには、「キーワード戦略」は欠かせないものなのです。