SNS上の話題を起点にした面白企画を連発するブランドとは
すでにSNS上で顕在化している話題を起点にシェア拡散されるプロモーションを設計し続けている代表的なブランドが、日清食品(以下、日清)の「どん兵衛」です。
「どん兵衛」は4月、「どん兵衛からラーメン二郎へのラブレター」という、擬人化された「どん兵衛」が、ラーメン界ではトップクラスの知名度を誇る「ラーメン二郎」へ延々とラブレターを書くというプロモーションを行い話題沸騰となりました。
一見すると突飛なアイデアにも見えるこのプロモーションも、SNS上での話題をキャッチアップしたことが企画の起点になっていると思われます。
それが、このように、「どん兵衛」で「二郎ラーメン」を再現した「どん二郎」として楽しむというレシピの話題です。
日清がこの事象を把握し、事象に応えるように自ら、「どん兵衛からラーメン二郎へのラブレター」というプロモーションに落とし込んだのです。これはもともと「どん二郎」レシピを試していた、話題にしていたユーザーを中心にコンテンツが大量にシェア拡散されていたと推測できます。
ポイントはいかに自社の話題を見つけ出せるか
「どん兵衛」は2015年末にも、「日清は10分どん兵衛のことを知りませんでした」というお詫び広告風のキャンペーンサイトを立ち上げたことがあります。これは、芸人のマキタスポーツさんが自身のラジオで「『どん兵衛』は10分待ってから食べた方が美味しい」と言ったことをきっかけに、SNS上で話題となっていた「10分どん兵衛」を企画の種にして実施されたプロモーションです。その後、日清の製品担当者が公式に「10分どん兵衛」を試食するというコンテンツを公開し、大きな話題となりました。
最近の「どん兵衛」におけるプロモーションでは、ソーシャルリスニングから「どん兵衛」の意外な語られ方を見つけ、それをもとにプロモーションを企画し、さらにSNS上で話題化させることが定番のような展開になっています。
これらの事例から理解したいのは、SNSにおける自社の話題をタイムリーかつ的確に把握しているということです。「10分どん兵衛」にしろ「どん二郎」にしろ、SNSを中心にすでに発生している話題を巧みにとらえて企画設計したことで、ここまでのシェア拡散を獲得できたと思われます。
こういった現象を見逃すことなくキャッチアップするための手法としても活用できるのが、ソーシャルリスニングなのです。SNS上でのユーザーの動きに呼応するかのようにコミュニケーション設計を行うことで、企業のコミュニケーション活動に新たな展開を生み出すことができるでしょう。
