Ahrefsは2025年10月22日、AI検索可視化ツール「Ahrefs ブランドレーダー」を用いた日本国内における主要AI検索エンジン(ChatGPT、AIモード、Microsoft Copilot、Perplexity)の引用情報源分析結果を公開した。2025年5〜9月のデータを基に、各AIの情報源の傾向とポジショニングの違いを明らかにしている。
各AI検索の引用傾向に明確な違い
調査によると、各AI検索エンジンで引用される情報源が大きく異なることが判明した。ChatGPTは海外コミュニティのReddit(228,388回)が圧倒的に多く、Wikipedia英語版(166,445回)、日本のAmeblo(131,629回)などグローバルな情報の引用が特徴的である。専門性や海外視点、公式情報に強いことが読み取れる。

PerplexityはYahoo!知恵袋特化、AIモードはYouTube重視
Perplexityは国内コミュニティのYahoo!知恵袋を突出して重視しており、引用回数は518,977回と他AIの2~5倍に達する。YouTube(276,702回)、Wikipedia日本語版(252,313回)もよく引用され、あらゆる質問に対する総合力が強みとされる。一方、AIモードはYouTube(91,954回)が最も多く、続いてGoogle.com(35,191回)、Wikipedia日本語版(33,006回)とされ、ビジュアルや動画、SNSトレンドに強いことが特徴だ。
CopilotはWikipediaと自社Bingへの依存が顕著
Microsoft CopilotはWikipedia日本語版(125,842回)を最も多く引用し、Bing.com(93,300回)、note(65,023回)が続く。百科事典的な情報と自社検索との連携を積極的に行っており、客観性・信頼性を志向する傾向が見受けられる。
マーケターへの示唆
これらの結果より、従来のSEOのみならず、ユーザーとの多角的な接点やコンテンツ展開、AEO(AI検索エンジン最適化)への備えが重要であることが示唆されている。AI時代のマーケティングは、自社サイトのみならずSNSや外部メディアも意識した「面」での戦略が求められる。
調査概要
調査期間:2025年5月〜9月(Copilotは7~9月、AIモードは9月)
対象:ChatGPT、AIモード、Copilot、Perplexity
手法:Ahrefs ブランドレーダーにより各AIの回答生成時に引用するドメイン上位10件を分析
対象国:日本
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