電通グループは、世界56市場のデータをもとに「世界の広告費成長率予測」の最新値を発表した。以下、一部内容を紹介する。
2025年の世界の広告費成長率は5.5%予測。2026年には初の1兆米ドル越え
同調査では、2025年6月に公表した2025年予測の更新と2026年の新規予測を実施。まず、2025年の成長率予測を5.5%、広告費を9,891億米ドル(約153兆円)とした。地域別では、前年比で日本が3.7%増、米州5.5%増、EMEA(欧州・中東・アフリカ)3.8%増、APAC(日本を含むアジア太平洋地域)6.4%増と、いずれの地域でもプラス成長を維持する見通し。デジタル広告費は8.7%成長の6,684億米ドル(約103兆円)で、全体に占める構成比は67.6%となる予測だ。
2026年には5.1%増の約1兆392億米ドル(約161兆円)に達するとし、初めて1兆米ドルを突破する見通しである。
地域別トレンド、日本は安定成長
地域別のトレンドでは、2026年はAPAC(日本含む)が5.4%成長し、3,764億米ドル(約58兆円)を見込む。中国は6.1%、インドは8.6%と高成長が期待される。米州は5.2%成長で4,605億米ドル(約71兆円)、またブラジルは9.1%増と世界主要12市場(米国、中国、日本、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、ブラジル、インド、カナダ、イタリア、スペイン)の中で最も高い成長率となる予測である。
EMEAは4.2%増で2,023億米ドル(約31兆円)とした。日本は2025年に3.7%増、2026年に2.9%増と安定した拡大傾向が続く。
リテールメディアなどデジタル広告費が伸びる見込み
媒体別では、2026年のデジタル広告費が6.7%増で全体の68.7%を占め、特にリテールメディア(14.1%増)、オンライン動画(11.5%増)、ソーシャル(11.4%増)などの領域で高い成長を見込む。テレビ広告は2025年はマイナス成長予測となったが、2026年に2.4%成長と緩やかな回復へ。OOH(屋外/交通)は4.1%増、シネマは2.2%増、また新聞・雑誌はマイナス3.0%と縮小が続く見通しだ。
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