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動画広告、123.0%と最も高い成長率に/電通グループ4社「2024年 日本の広告費」の詳細分析

 国内電通グループ4社(CCI/電通/電通デジタル/セプテーニ)は、電通が2025年2月に発表した「2024年 日本の広告費」の調査結果の詳細分析を公開。インターネット広告媒体費の内訳を広告種別・取引手法別などの切り口で分析し、2024年の予測を加えた「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」として発表した。

インターネット広告費、総広告費に占める割合は5割に迫る

 2024年の日本の総広告費は、通年で前年比104.9%の7兆6,730億円に。2021年から4年連続で成長し、3年連続で過去最高を更新した。中でもインターネット広告費は、前年より3,187億円増加して3兆6,517億円(前年比109.6%)と過去最高を更新。その構成比は日本の総広告費全体の47.6%を占めた。以下、詳細分析の結果を示していく。

 まず、インターネット広告媒体費を広告種別で見ると、ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8,439億円と最も高い成長率に。構成比で見るとディスプレイ広告を上回る28.5%となった。

 検索連動型広告は、2023年に推定開始以降はじめて1兆円を突破したが、2024年は前年比111.2%の1兆1,931億円となった。

インターネット広告媒体費の広告種別構成比
インターネット広告媒体費の広告種別構成比

【広告種別の定義】

・ビデオ(動画)広告:動画ファイル形式(映像・音声)の広告

・ディスプレイ広告:Webサイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、テキストなどの形式の広告

・検索連動型広告:検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する広告

・成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告

・その他のインターネット広告:上記以外のフォーマットのインターネット広告、メール広告、オーディオ(音声)広告など。タイアップ広告を含む

運用型広告は、インターネット広告媒体費に占める構成比の約9割

 次に取引手法別で見ると、運用型広告は前年比111.1%の2兆6,095億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.1%となった。予約型広告は前年比105.4%の伸長で2,789億円、成果報酬型広告は前年比99.3%とわずかに減少し727億円となった。

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比
インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

【取引手法の定義】

・予約型広告:純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由、もしくは直接広告主に販売されたもの、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて非入札方式(固定価格)で取引されるもの

・運用型広告:検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引されるもの

・成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告

検索連動型広告が約4割と最も高い構成比/動画広告、ディスプレイ広告を推定開始以降はじめて上回る

 広告種別×取引手法別では、運用型の検索連動型広告がインターネット広告媒体費全体に占める構成比が最も高い40.3%。次いで運用型のビデオ(動画)広告が、運用型のディスプレイ広告を推定開始以降はじめて上回り、24.0%となった。

インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比
インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比

ビデオ(動画)広告は、広告種別で最も高い成長率に

 ビデオ(動画)広告は、前年比123.0%の8,439億円と、広告種別で最も高い成長率に。内訳は、動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム広告が4,260億円(構成比50.5%)、Webサイト上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるアウトストリーム広告が4,178億円(構成比49.5%) となり、ほぼ同水準であった。また、取引手法別では運用型広告が84.4%を占めた。

ビデオ(動画)広告の広告種類別・取引手法別構成比
ビデオ(動画)広告の広告種類別・取引手法別構成比

【ビデオ(動画)広告の定義】

動画ファイル形式(映像・音声)の広告。以下のようなものを含みます

・インストリーム広告:動画コンテンツの前、中、後に再生する動画ファイル形式の広告

・アウトストリーム広告:ディスプレイ広告枠などの動画コンテンツ外で表示される動画ファイル形式の広告。Web上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるインフィード広告で動画ファイル形式のものも含む

ソーシャル広告、推定開始以降はじめて1兆円を突破

 ソーシャル広告は、前年比113.1%の1兆1,008億円となり、2019年の推定開始以降はじめて1兆円を超え、インターネット広告媒体費に占める構成比は37.2%となった。

 種類別に「SNS系」「動画共有系」「その他」に分類すると、SNS系が4,550億円(構成比41.3%)、動画共有系が4,054億円(構成比36.8%)、その他が2,404億円(構成比21.8%)となり、 動画共有系の割合が前年から増加した。

ソーシャル広告の構成比推移・広告種類別構成比
ソーシャル広告の構成比推移・広告種類別構成比

【ソーシャル広告の定義】

・ソーシャルメディア(※)のサービス上で展開される広告

※ユーザーが投稿した情報をコンテンツとし、ユーザー間で共有・交流するサービスを提供するメディア(プラットフォーム)

-JIAA「インターネット広告基礎用語集 2024年度版」より-

・ソーシャルメディア例:SNS/ブログサービス/ミニ(マイクロ)ブログ/動画共有サイト/ソーシャルブックマーク/電子掲示板 など

【ソーシャル種別の定義】

SNS系はSNSプラットフォーム(動画共有系を除く)、動画共有系はユーザー投稿型動画共有サイト、その他はブログや電子掲示板 など

2025年のインターネット広告媒体費、引き続き増加すると予測

 続いて、インターネット広告媒体費総額の推移(予測)を公開。2025年も堅調に拡大し、前年比109.7%の3兆2,472億円になると予測を示した。

インターネット広告媒体費総額の推移(予測)
インターネット広告媒体費総額の推移(予測)

 ビデオ(動画)広告市場の推移と予測は、2025年も二桁成長を維持し、前年比114.7%の9,677億円になると予測。アウトストリーム広告とインストリーム広告はほぼ同等の成長を見込んでいる。

ビデオ(動画)広告市場の推移と予測
ビデオ(動画)広告市場の推移と予測

【調査概要】
調査主体:CARTA COMMUNICATIONS(CCI)、電通、電通デジタル、セプテーニ
調査時期:2024年12月~2025年2月
調査方法:以下の調査に基づき、推定作業を実施
(1)インターネット広告媒体社などを対象としたアンケート調査(Web調査)
(2)上記の追加ヒアリング調査
(3)各種データ収集・分析

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2025/03/12 14:45 https://markezine.jp/article/detail/48698

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