電通は、日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2022年 日本の広告費」を発表した。以下、一部内容を紹介する。
2022年の日本の総広告費、1947年以降で最高に
2022年の日本の総広告費は、通年で7兆1,021億円(前年比104.4%)に。コロナ禍前の2019年を超え、同社が1947年に推定を開始して以降過去最高となった。なお、2021年までの過去最高は2007年(7兆191億円)だった。
上半期は、コロナ禍からの回復にともなう行動制限の緩和や北京2022冬季オリンピック・パラリンピックなどにより好調。下半期はウクライナ情勢や欧米の金融政策の転換による経済環境の大きな変化、新型コロナの再拡大などの影響を受けたものの、「外食・各種サービス」「交通・レジャー」を中心に広告需要が高まった。特にインターネット広告費の伸長により、広告市場全体が成長した。
「テレビメディア関連動画広告費」が大きく伸長
また「マスコミ四媒体広告費」「インターネット広告費」「プロモーションメディア広告費」の3種類に分類し、媒体別に調査した。
すると、マスコミ四媒体広告費は2兆3,985億円(前年比97.7%)となった。「ラジオ広告費」は増加したものの、「新聞広告費」「雑誌広告費」「テレビメディア広告費」は減少した。
次にインターネット広告費は3兆912億円(前年比114.3%)となり、2兆円を超えた2019年から3年で約1兆円増加。総広告費に占める比率は43.5%となり、2021年に続いて3種類の中で最も高い結果になった。インストリーム広告を中心とした動画広告の需要が増えており、リスティング広告やデジタル販促も好調だった。
特に「インターネット広告媒体費」は2兆4,801億円(前年比115.0%)となり、中でもコネクテッドテレビの利用拡大を受けた「テレビメディア関連動画広告費」は350億円(前年比140.6%)と大きく増加した。また「インターネット広告制作費(4,203億円、前年比109.2%)」「物販系ECプラットフォーム広告費(1,908億円、前年比117.0%)」もそれぞれ増加した。
続いてプロモーションメディア広告費は、1兆6,124億円(前年比98.3%)だった。通年では減少した一方で、人流が戻ったことで「屋外広告」「交通広告」「折り込み広告」など2021年を上回る媒体もあった。
なお同調査における「
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