電通は、企業の役職者364名を対象に、「マーケティングDX調査2021」を実施した。
同調査では、マーケティングDXを「生活者を中心に捉え、デジタルを活用した新たな顧客体験の創造を通じた事業・マーケティング活動全般の変革」と定義。下の図に示す0DX戦略(ビジョン、顧客志向性、DX進捗度)とマーケティングDX推進に重要な4つの領域(1顧客体験変革、2システム変革、3データ・人材変革、4組織・業務変革)における自社の取り組み状況や重要度などを聴取し、2020年に実施した調査との経年比較や、マーケティングDXで成果を創出している企業の特徴・傾向を分析している。
マーケティングDXの取り組みで成果が出ている企業は60.4%
マーケティングDXの取り組みを進めている企業は86.8%だった。また、成果が出ている企業は60.4%で、2020年実施時の49.6%から増加した。
4領域の取り組みは「金融」「情報通信」で前年より進展、「消費財」は横ばい
マーケティングDX関連の4領域それぞれに関連する複数の設問について、自社の現在の取り組み状況を5段階評価で回答してもらい、平均値を「取り組みスコア」、前年と比較した結果を「伸長率」として算出した。「金融」「情報通信」「消費財」の3業種について、以下の傾向が見られる。
・「金融」は、他業種に比べて全体的に「取り組みスコア」が低い一方で、前年からの伸長率が高く、特に「3データ・人材変革」「4組織・業務変革」領域の取り組みが進展している。
・「情報通信」は「取り組みスコア」が全体平均より高く、領域別では、「4組織・業務変革」の伸長率が高い。
・「消費財」も「取り組みスコア」が全体平均より高い一方で、前年からの伸長率はほぼ横ばい。
「マーケティングDXで成果を創出している企業」は、人材や組織、顧客体験を重視する傾向
「マーケティングDXで成果を創出している」グループが、「成果を創出できていない」グループに比べて「重視している取り組み」の高い項目を分析すると、「マーケティング施策のデータ収集と蓄積」というDXの基本的な要素に加え、人材や組織、顧客体験に関連する施策が上位に挙げられた。
【調査概要】
・対象エリア:全国
・サンプル数:364ss
・対象者条件:
【役職】従業員500人以上の国内企業所属の経営者、役員クラス、本部長/部門長、事業・事業企画部長クラス、部長・部長補佐クラス
【担当部署】経営・社業全般、経営企画・事業開発、営業/営業企画・販売、企画・調査・マーケティング、デジタル統括/推進
・調査手法:インターネット調査
・調査期間:2021年12月2日~12月9日
・調査機関:株式会社日経BPコンサルティング
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