SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

BtoB Synergy FORUM powered by MarkeZine & SalesZine

リサーチから読み解く、AIと生活者の「共生」のいま

AIとの「付き合い方」でわかれる、6つの生活者タイプ——3万人調査から解き明かす、AI時代の生活者像

 QOが実施した全国3万人への大規模調査では、生成AIの現利用率は33%と、まだ途上にある現実が浮かび上がりました。生成AIサービスを「使う/使わない」という二元論的な問いはもはや古くなっている一方、「AIは既に広く普及している」という感覚とも、データは異なる傾向を示しています。本記事では、最新の生活者像とマーケターが知るべき新しいセグメント軸について、調査データとともに解説。生成AIの普及がまだ途上段階にあるからこそ、生活者を捉え直す切り口とはどのようなものなのか紐解いていきます。

※本記事内で指すAIサービスとは、対話型AIプラットフォームや画像動画生成AIなどアカウント登録型のサービスを指しており、検索エンジンのAIモードや音声AIアシスタントなどのサービスは除外しています。

AI利用の実態──「AIバブルの熱狂」とは対照的な、生活者の冷静な現在地

 ChatGPTが日本に普及し始めた2023年から、今年でおよそ3年が経つ。世間ではしばしば「AIバブル」という言葉が飛び交い、マーケットやメディアでは生成AIへの巨額投資や急激な株価高騰が強調され、あたかもAIが社会のすべてを塗り替えてしまう熱狂に包まれているかのように見える。

 しかし、そういった熱気とは対照的に、生活者の利用実態は冷静だ。今回の調査によると日本全体の生成AIの利用率は33%。ブームから3年が経過した今、AIは「誰もが使っている魔法のツール」という段階にはなく、一部の層が熱心に使いこなし、多くの層がまだその活用を模索しているという「日常化の入り口」に立っているに過ぎない。

 その内訳を性年代別で見ると、浸透度のギャップが浮き彫りになる。15〜19歳女性の利用率が65%と最も高く、最も低い70代女性の13%との差は約5倍に達する。年齢が上がるほど利用率が下降していく傾向があるが、男性よりも女性のほうがその傾向がより顕著となっている。

【図表1】性年代別の生成AIの現利用率
※現利用者は調査時点での利用者、離脱層は過去利用・現在停止、未利用層はこれまで一度も利用していない層
(クリックして拡大)

 また、現利用者の利用開始時期は、「1年以上前が約4割」「半年前~1年前が約3割」「直近半年間が約3割」と分散。このデータからも、直近で利用者が大幅に増加しているわけではなく、時間をかけて段階的に浸透している状況が見てとれる。

 しかし、ひとたび使い始めた利用者においては着実な習慣化が進んでいる。利用頻度は「ほぼ毎日使う」が28%、「週1回以上」の合計が82%に達している。その用途は、「日常のちょっとした疑問の解消・調べもの」が66%でトップ、「仕事・業務(資料作成・メールなど)」が40%、「悩み相談・雑談」も37%の高水準となり、情報収集から感情的な相談までAIは多面的な役割で生活に組み込まれ始めている。

 ただ、用途の広がりが見えてくる中でも、利用率が33%という普及段階においては、利用者の「具体的な使い方」はそれほど多様化していなかった。現利用者をわけているのは「何に使うか」という行動の差ではなく、AIそのものへの「心理的な距離感」だった。

「何に使うか」より「どう向き合うか」?4つの心理的次元

 調査では、現利用者5,150人を対象に聴取した「AIの利用目的」「AIサービスに対する気持ち」に関する25項目への共感度について、因子分析を用いて統計的に分類した。

 作業効率・創造性・自己成長・生活委任など「用途の細かな違い」は分類軸として表出せず、代わりに浮かび上がったのは、AIとの「関係性」に関する4つの心理的次元だ。

 具体的な使い方は「行動の結果」に過ぎず、それぞれの利用者が「AIとどのような関係性を築くか」を決める心理的な軸があることを発見した点が本調査の大きな成果である。

【図表2】AIとの関係を決める4つの心理的次元
(クリックして拡大)

 注目すべきは(03)と(04)の関係だ。「03:AIに人格・感情を感じる(擬人化)」と「04:AIはただのツール(道具化)」は一見、対立する概念のように思える。

 しかし分析上はそれぞれが独立した次元として存在し、「両方が高い人」も「両方が低い人」も存在する。この2つの軸の組み合わせが、生活者の「AIとの付き合い方」を構造的に解き明かす鍵となる。

次のページ
心理的次元から分類される6つの生活者タイプとは

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
この記事の著者

渡部 彰博(ワタナベ アキヒロ)

QO株式会社 取締役常務執行役員 リサーチデリバリー本部長/AIIIプロジェクト推進室長

セールスプロモーション業界を経て、2008年にQO株式会社(旧東京サーベイ・リサーチ)へ参画。リサーチコンサルティングや独自のソリューション開発において多数の実績を残す。2016年からはマネジメントとしてデータドリ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/07/21 08:30 https://markezine.jp/article/detail/77062

Special Contents

PR

Job Board

PR

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング