生活者タイプを考慮した、AIコミュニケーション設計における3つのポイント
ここまで見てきたとおり、AIの利用者の中でも心理的な距離感や向き合い方は多様化しており、それらの前提や特徴を踏まえたコミュニケーション設計は今後マーケターにとっても重要な視点となってくる。
今回発見した6つの生活者タイプを踏まえ、企業が商品・サービスにAI機能を搭載する際の訴求やAI接客・AIアシスタントなどの顧客体験を設計する際に特に意識すべきポイントを以下の3点に整理した。
ポイント1:根拠の透明性で信頼設計をする
「疑いながらも極める」層(20%)の存在は、AI関連施策における「信頼の設計」の重要性を改めて示す。有料プラン加入率トップのこの層を動かすのは、表面的な機能訴求ではなく「根拠の透明性」と「自分自身が検証できる余地」の担保である。
ポイント2:感情的UXを差別化軸に置く
そして見逃せないのが、「AIはパートナー(17%)」と「AIに打ち明ける(13%)」を合わせた約3割が持つ、感情的サポート需要だ。機能・効率訴求が溢れるAI関連マーケティングの中で、感情的UXを設計の中心に置くブランドは、この約3割の層に対し差別化軸を持つことができる。
ポイント3:一枚岩のメッセージのリスク
タイプの違いを考慮していない「一枚岩のメッセージ」は特定の層に刺さる代わりに、別の層を遠ざけるリスクを孕んでいることを意識したい。たとえば「AIはパートナー」層に響く感情に寄り添うAIの訴求は、「機能だけ割り切り」層には過剰な演出、あるいは不快に映りかねない。逆もしかりだ。
「誰に・何を・どう届けるか」の問いを、「AIとの付き合い方」という新しいセグメント軸で捉え直すこと──それが、AI時代のマーケティング設計における次の一手となるだろう。
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本連載では、AI×生活者の実態や関係性を様々な調査やデータから解き明かしていく。次回のテーマは「AI未利用者に存在する壁」。現在AIを利用していない人が約3分の2を占めており世の中ではマジョリティであるが、そこに存在する壁や今後利用していくにあたっての要件とは何なのか。未利用者を4層にわけ構造的に把握することで、今後日本でAIが普及していくためのポイントを考える。
【調査概要】
調査名:AI時代の生活者調査
調査対象者:全国15~79歳男女
サンプル数:
-事前調査 30,000サンプル(性年代の人口構成比に合わせて割付回収)
-本調査10,300サンプル(生成AI現利用者5,150サンプル、離脱層515サンプル、未利用者層4,635サンプルで割付回収)
調査方法:インターネット調査
調査時期:2026年5月27日~6月1日
調査委託先:株式会社マクロミル
企画・分析:QO株式会社
