部分最適から、ファネル全体を俯瞰したストーリー性のあるコミュニケーションへ
MarkeZine:アサヒビールは、広告宣伝からCRM領域まで「ファネル全体を俯瞰したストーリー性のあるコミュニケーションの実現」にチャレンジされています。この取り組みの概要を教えてください。
泉谷:以前は、広告宣伝活動を担う宣伝部と、既存顧客とのCRM構築などを担うデジタルマーケティング部が組織として分かれていました。そのため、お客さまごとに一気通貫したコミュニケーションがなかなか実現できていないという課題がありました。また、デジタルマーケティング部の領域で、せっかく多くのCRMデータを保有しているのに、宣伝部の領域ではうまく活用できていないなど、データの有効活用における課題もありました。
このように宣伝領域とCRM領域が分断している状態では、ファネル全体がつながって最適化されたコミュニケーションは実現できません。新設されたコミュニケーションデザイン部では、お客さまを中心に置きながら、ファネル全体を俯瞰したストーリー性と驚きのあるコミュニケーションデザインを目指しています。
MarkeZine:新設後は、どのような考え方でコミュニケーションを設計しているのでしょうか?
泉谷:当社は、お客さまをすべての活動の中心に置いたコミュニケーション開発・推進を目指しています。「認知・リマインド」「興味・関心」「検討」「購買」「リピート」「ファン化」「ヘビーユーザー化」の各ファネルで情報発信をバラバラに行うのではなく、一貫したストーリーでつなげていく――それが一人ひとりのお客さまとの絆を強め、お客さまの態度変容につながると考えています。

たとえば、CRM領域のデータを活用して、広告のターゲティング精度を高める施策などにも取り組んでいます。具体的には、キャンペーンへの応募データや「飲用ブランド・頻度・量」などの顧客データとメディアデータを、データクリーンルームで掛け合わせ、類似拡張によってアッパーやミドルファネルでのターゲティング精度を大幅に向上させることにつなげています。
出稿拡大のきっかけは「社内での評判・口コミ」だった
MarkeZine:2024年から2025年にかけて、アサヒビールはSmartNews Adsへの出稿額を約4倍に拡大。さらに、予約型広告の実施ブランド数は2024年の3ブランドから2025年には15ブランドへと前年比で約5倍に拡大したと聞きました。SmartNews Ads活用拡大のきっかけは何だったのでしょうか?


泉谷:最初のきっかけは、まさにテレビとデジタルを統合したリーチ最大化の課題でした。ファネル全体を俯瞰したストーリー性のあるコミュニケーションの実現を目指す中で、特にアッパーやミドルファネルでインクリメンタルリーチをどう伸ばすかを模索していたのです。
そんな中、あるブランドでSmartNews Adsを活用したところ「リーチ効率が非常に良かった」「インプレッション単価を抑えつつ効率的に高い効果が得られる」と評判になり、社内で口コミが広がる形で、主要ブランドでの活用が自然に拡大していきました。
MarkeZine:リーチ効率の良さを踏まえての出稿拡大だったのですね。リーチの“質”という点では、いかがでしょうか。
泉谷:とある期間に出稿した際、一般的なスキッパブル動画広告と比較して、SmartNewsは動画広告の完全視聴率が約2倍高かったというデータがあり、無音の視聴環境でもきちんと見られていることが確認できています。リーチ効率だけでなく、「広告接触の質の高さ」という点でも確かな手応えがありました。
原田:それは、「専念視聴率が高い」というSmartNewsの強みに直結しています。実は、SmartNewsの専念視聴率は79%と、テレビの48%などと比べても顕著に高いことがわかっています。また、月21回以上利用するユーザーが約60%を占めるなど「習慣性」が高いことも特長で、能動的で情報感度の高い層に効率的にアプローチいただけます。

