50周年の節目、未来に向けた決意
――50周年の記念プロジェクト「CRAFTMAN,SHIPS」はシップスのビジネスにおいてどのような立ち位置だったのでしょうか?
中西:「CRAFTMAN,SHIPS」は、シップスを50年間支えてくださったお客様、お取引先様、そして社員まですべての方々に感謝を伝えるキャンペーンです。一方で、過去の歴史を振り返るだけでなく、私たちが「進化する老舗」として100年企業を目指していくためのビジョンや、未来に向けた決意を示す重要なプロモーションでもありました。
――社内での合意形成や、パートナー企業の選定はどのように進められたのですか?
中西:社内でプロジェクトチームを結成し、50周年で「何を伝えたいのか」「何を目的にするのか」「誰に届けていくのか」という骨子を整理したコンセプトシートを作成しました。方向性について社内で承認を得たうえで、博報堂Gravity様を含む複数社にコンペを実施させていただきました。
中西:このプロジェクトは社員全員が関わるものなので、社長をはじめとする経営陣にもコンペのプレゼンテーションの段階から参加してもらいました。大きな会社だと承認レイヤーが多くなりがちですが、プロセスに経営陣が最初から入るのは非常に当社らしい決め方だったと思います。
コロナで離脱した「中心層」に思い出してもらう
――今回のキャンペーンにおいて、ターゲット設計や目標・KPIはどのように設定されたのでしょうか。
中西:感謝を伝える対象として、既存や新規のお客様はもちろんですが、今回は特に「休眠顧客」に着目しました。
2023年末から2024年初にかけてキャンペーンの骨子を決めたのですが、直近5年間の顧客データを分析した結果、いわゆるコロナ禍前に25~34歳だった方々の来店数が、一定数減ってしまっていることが判明しました。この年齢層の方々は現在30~40代で、まさにSHIPSが設定する主要顧客層です。この方々にもう一度SHIPSを思い出してほしいと考えました。「休眠層の呼び起こし」という課題感は、コンペの際にも各社様にお伝えしました。
三瀬:KPIは、ターゲット層である休眠顧客の利用率がどれくらい戻ったか、そして新規獲得率としました。
三瀬:これまでは、新規獲得や休眠顧客の掘り起こしというと、どうしてもクーポンのような値引きインセンティブによるアプローチに走りがちでした。しかし今回は、会社を挙げてブランドのメッセージやコピーを打ち出すプロモーションによって、これまでとは違うアングルでお客様の心にリーチする試みでした。
後ほどお伝えしますが、結果的にそれがしっかりと数値に反映できたことで、プロモーションの意義を社内へ示すことができたと感じています。
