激増した経営企画様との仕事
私たちパブリックグッドがデロイト トーマツ グループに参画してから12月で丸2年になりますが、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しました。とりわけ激変したのが顧客環境です。当社にお寄せいただくご相談、お引き合いの件数も激増しましたが(年間で従来の10倍は超えます)、その90%以上がデロイト トーマツ グループの経営/財務コンサルが担当する案件になりました。また、単独で経営していた時のクライアント様窓口は、マーケティング部、広報部、広告宣伝部が多かったのですが、グループイン後にコンサルがつないでくれるクライアント様は経営企画部が圧倒的に多くなりました。
この連載では、当社の激変する実務現場で、経営企画の皆さまとブランド戦略の策定や施策実施を通して得た知見から
- なぜいま経営企画がブランディング領域に関心を寄せているのか?
- 経営企画の経験がないエージェント・マーケターと、ブランディング活動の経験がない経営企画との間で、有機的な議論に発展するための共通言語は何か?
についてご紹介していきます。また、ブランド構築はマーケティングや広報だけでなく経営企画を含む全社プロジェクトとして推進したほうが「強いブランドになる」という当社の現在地に至った点についても、実際のプロジェクトでのケースを交えながら、ご説明していきます。
今回は、経営企画視点でのブランドとは何か? なぜ経営企画部門がブランドを重視するのか? を解説していきます。
「経営」という仕事を紐解く
経営企画の皆さまは文字通り「経営」を生業とされています。わたしが定義するのは甚だおこがましいのですが、ここでは大まかに「経営」を「お金を集めて、増やす仕事」としておきましょう。
極端に単純化した例を見てみましょう。たとえば、200円を投資家から調達して、そのうち100円の原材料で製品を作って売るX社とY社の経営を想定します。
| X社 | Y社 | |
|---|---|---|
| A:資金調達 | 200 円 | 200 円 |
| B:原材料仕入れ | 100 円 | 100 円 |
| C:製品売上 | 500 円 | 3,000 円 |
| D:粗利(C-B) | 400 円 | 2,900 円 |
| E:販管費(会社を運営するお金) | 100 円 | 100 円 |
| F:純利益(D-E) | 300 円 | 2,800 円 |
売値が500円と3,000円では最終的に会社に残るお金(純利益)に約9倍の開きがあります。極端に単純化しましたが、この将来も含めた「お金を増やせる力」のことをいったん「企業価値」としておきましょう。経営企画はこの「企業価値の向上」を最大のミッションとして担っています。この例ではX社よりY社のほうが「企業価値」が高い=良いということになります。
なお、「企業価値」には、「会社全体としてどれだけお金を増やせるか」という視点のほか、「株主にとってどれだけ価値を提供できるか≒株主価値」という視点もありますが、本稿では主に前者の視点に立ちます。
