データを活用した継続的な顧客接点を求めていた
──まず、「メディキュット」はどのようなブランドなのでしょうか?
岡部(メディキュット):「メディキュット」は、英国の医療用ストッキングにルーツを持つ段階圧力ソックスブランドで、日本の着圧ソックス市場No.1のポジション(※)を確立しています。
(※)インテージSRI+調べ 着圧ソックス市場 全メディキュット累計販売金額(2019年1月~2025年8月)(日本)
メディキュットのアシスタントブランドマネージャーとして、主にレディース関連の商品を担当
これまでは主に若年層の女性をターゲットとしてきましたが、近年では市場の変化に対応し、2023年からはメンズ市場にも参入。さらに高齢化社会が進む中で、シニア層の足の悩みにも応えていきたいと、「メディキュット for ALL」のコンセプトのもと、全世代に向けた商品展開を進めています。
──「メディキュット」として、LINE公式アカウントを活用することになった背景について教えてください。
駒宮(メディキュット):「メディキュット」は約30種類のラインアップを展開しており、それぞれ長さや使用する時間、対象者が異なります。そのため、ぱっと見ただけでは「何に使うのか」「自分に何が合っているのか」がわからないという課題がありました。
「メディキュット」のクリエイティブを担当
駒宮(メディキュット):そこで、LINE公式アカウントで1対1のナビゲーションを行えば、ユーザーも商品を選びやすくなると考えたのです。もう1つの目的は、ユーザー情報の蓄積です。これまで顧客データをほとんど活用できていなかったので、LINE公式アカウントを使ってデータをためていく仕組みを構築したいと考えていました。
大谷(メディキュット):1対1のナビゲーションのニーズは、お客様からだけでなく、営業チームや小売企業のバイヤーの方々からも上がっていました。店舗の棚に何を置くべきか、優先順位を決める際にも迷われていたのです。
コンシューマーエンゲージメントチームの責任者を務める
大谷(メディキュット):また、これまでも担当者ベースでSNSを用いたキャンペーンは行っていたものの、属人化して短期的な取り組みに留まっていた実情がありました。そこで、代理店にきちんと入っていただくことでブランドとして管理する体制を作り、継続的なタッチポイントを確保できたのは大きかったと思います。
24分岐の質問を設計し、パーソナライズレコメンドを実現
──「メディキュット」の課題を解決するために、具体的にどのような施策を実施されたのでしょうか。
柏舘(セプテーニ):LINE公式アカウントの活用は、新規獲得施策にもつながりますし、友だち追加していただければ、ブロックされない限り基本的には継続的にコミュニケーションが取れます。
セプテーニのLINE事業部の責任者を務める
柏舘(セプテーニ):レキットベンキーザー・ジャパン様では、ユーザーに有意義なアカウントであると感じてもらえるよう、LINE公式アカウント上でのコミュニケーションを丁寧に設計しました。また、アカウントローンチ時には友だちの増加を目的とした、友だち追加広告(CPF広告)を活用しました。
ユーザーにとって価値のあるアカウント基盤を整えた上で集客を行えているため、ブロック率が比較的低く、良好なコミュニケーションチャネルを実現できています。
横山(セプテーニ):加えて、ユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加したタイミングで、自分に合った商品がわかる診断コンテンツが自動的に始まる仕組みを提案しました。LINE公式アカウント上でのメッセージ配信は一方的な情報発信になりがちですが、友だち追加時のあいさつメッセージで診断コンテンツを提供し、パーソナライズされた体験につなげることで、高い回答率を実現できます。
LINE公式アカウントの運用業務を担当
柏舘(セプテーニ):診断では、質問数が10問以上になると回答完了率が低下する傾向があるため、5問前後に抑えることを意識しました。セプテーニが持つLINE公式アカウントにおける豊富な知見と、レキットベンキーザー・ジャパン様が持つ「メディキュット」への深い理解を融合させながら、どのようなニーズに対してどの商品が選ばれるべきかを整理し、24通りの分岐を設計しました。

