SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

マーケティング最新事例 2025(AD)

「メディキュット」のLINE公式アカウント活用 「選べない」を診断で解決し、購入へ導く仕組みとは?

 顧客のLTV向上策を、多くの企業が模索している。そんな中、レキットベンキーザー・ジャパンは、着圧ソックス「メディキュット」のLINE公式アカウント運用において、回答率90%以上の診断コンテンツを入り口に、データに基づきパーソナライズしたメッセージ配信を行うことで深く長い顧客接点を構築し、この課題解決に挑んでいる。 本記事では、レキットベンキーザー・ジャパンの大谷氏ら3名と、支援を行うセプテーニの柏舘氏、横山氏、ミロゴスの千葉氏に、その設計思想と成果、今後の展望について聞いた。

データを活用した継続的な顧客接点を求めていた

──まず、「メディキュット」はどのようなブランドなのでしょうか?

岡部(メディキュット):「メディキュット」は、英国の医療用ストッキングにルーツを持つ段階圧力ソックスブランドで、日本の着圧ソックス市場No.1のポジション(※)を確立しています。

(※)インテージSRI+調べ 着圧ソックス市場 全メディキュット累計販売金額(2019年1月~2025年8月)(日本)
レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 マーケティング本部 アシスタントブランドマネージャー 岡部未来氏
レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 マーケティング本部 アシスタントブランドマネージャー 岡部未来氏
メディキュットのアシスタントブランドマネージャーとして、主にレディース関連の商品を担当

 これまでは主に若年層の女性をターゲットとしてきましたが、近年では市場の変化に対応し、2023年からはメンズ市場にも参入。さらに高齢化社会が進む中で、シニア層の足の悩みにも応えていきたいと、「メディキュット for ALL」のコンセプトのもと、全世代に向けた商品展開を進めています

──「メディキュット」として、LINE公式アカウントを活用することになった背景について教えてください。

駒宮(メディキュット):「メディキュット」は約30種類のラインアップを展開しており、それぞれ長さや使用する時間、対象者が異なります。そのため、ぱっと見ただけでは「何に使うのか」「自分に何が合っているのか」がわからないという課題がありました。

レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 マーケティング本部 コンシューマーエンゲージメントチーム 駒宮氏
レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 マーケティング本部 コンシューマーエンゲージメントチーム 駒宮純貴氏
「メディキュット」のクリエイティブを担当

駒宮(メディキュット):そこで、LINE公式アカウントで1対1のナビゲーションを行えば、ユーザーも商品を選びやすくなると考えたのです。もう1つの目的は、ユーザー情報の蓄積です。これまで顧客データをほとんど活用できていなかったので、LINE公式アカウントを使ってデータをためていく仕組みを構築したいと考えていました。

大谷(メディキュット):1対1のナビゲーションのニーズは、お客様からだけでなく、営業チームや小売企業のバイヤーの方々からも上がっていました。店舗の棚に何を置くべきか、優先順位を決める際にも迷われていたのです。

レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 マーケティング本部 ヘッドオブ コンシューマー エンゲージメント 大谷真輝人氏
レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 マーケティング本部 ヘッドオブ コンシューマー エンゲージメント 大谷真輝人氏
コンシューマーエンゲージメントチームの責任者を務める

大谷(メディキュット):また、これまでも担当者ベースでSNSを用いたキャンペーンは行っていたものの、属人化して短期的な取り組みに留まっていた実情がありました。そこで、代理店にきちんと入っていただくことでブランドとして管理する体制を作り、継続的なタッチポイントを確保できたのは大きかったと思います。

24分岐の質問を設計し、パーソナライズレコメンドを実現

──「メディキュット」の課題を解決するために、具体的にどのような施策を実施されたのでしょうか。

柏舘(セプテーニ):LINE公式アカウントの活用は、新規獲得施策にもつながりますし、友だち追加していただければ、ブロックされない限り基本的には継続的にコミュニケーションが取れます。

Septeni Japan株式会社 CXソリューション領域 LINE事業部 部門長 柏舘悠平氏
Septeni Japan株式会社 CXソリューション領域 LINE事業部 部門長 柏舘悠平氏
セプテーニのLINE事業部の責任者を務める

柏舘(セプテーニ):レキットベンキーザー・ジャパン様では、ユーザーに有意義なアカウントであると感じてもらえるよう、LINE公式アカウント上でのコミュニケーションを丁寧に設計しました。また、アカウントローンチ時には友だちの増加を目的とした、友だち追加広告(CPF広告)を活用しました。

 ユーザーにとって価値のあるアカウント基盤を整えた上で集客を行えているため、ブロック率が比較的低く、良好なコミュニケーションチャネルを実現できています

横山(セプテーニ):加えて、ユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加したタイミングで、自分に合った商品がわかる診断コンテンツが自動的に始まる仕組みを提案しました。LINE公式アカウント上でのメッセージ配信は一方的な情報発信になりがちですが、友だち追加時のあいさつメッセージで診断コンテンツを提供し、パーソナライズされた体験につなげることで、高い回答率を実現できます。

Septeni Japan株式会社 CXソリューション領域 LINE事業部 横山美和子氏
Septeni Japan株式会社 CXソリューション領域 LINE事業部 横山美和子氏
LINE公式アカウントの運用業務を担当

柏舘(セプテーニ):診断では、質問数が10問以上になると回答完了率が低下する傾向があるため、5問前後に抑えることを意識しました。セプテーニが持つLINE公式アカウントにおける豊富な知見と、レキットベンキーザー・ジャパン様が持つ「メディキュット」への深い理解を融合させながら、どのようなニーズに対してどの商品が選ばれるべきかを整理し、24通りの分岐を設計しました。

次のページ
診断後のシナリオを出し分けるパーソナライズ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
マーケティング最新事例 2025連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ミロゴス株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/12/11 11:00 https://markezine.jp/article/detail/49591

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング