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ねんどろいどを世界へ 柔軟性の高い「SAP Hybris」だから実現した越境EC戦略

 手のひらサイズのデフォルメフィギュア「ねんどろいど」をはじめとし、アニメやゲームのキャラクターグッズの販売を行っている、グッドスマイルカンパニー。海外にも積極的に進出している同社は、最適な自社ECを実現するための試行錯誤の末、「SAP Hybris」を選択したと言う。今回は、同社の通販事業を担う、グッドスマイル ロジスティクス&ソリューションズ アウトソーシング事業部の藤井直人さんに、その経緯についてうかがった。

日ごとに増えるトラフィック
海外市場を見越した「SAP Hybris」の導入

株式会社グッドスマイル ロジティクス&ソリューションズ
アウトソーシング事業部 藤井直人さん

――はじめに、御社のご紹介をお願いします。

親会社のグッドスマイルカンパニーは、アニメやゲームのキャラクターをデフォルメしたフィギュアである「ねんどろいど」をはじめとする、フィギュア・玩具などの製造・販売を行っています。通販事業は、イベント限定商品の販売から始めましたが、「ここでしか買えない」商品でもあることから軌道に乗り、開発から物流までのノウハウを身に着けました。私が所属するグッドスマイル ロジスティクス&ソリューションズはそのノウハウを他社様にも提供するべく、通販事業専用の別会社として設立したものです。

――現在、ECサイトは「SAP Hybris」で構築されているとのことですが、導入に至った経緯を教えてください。

もっとも大きかったのは、トラフィックの問題でした。商品の性質上、イベントなどがあると急激にアクセスが集中するため、当初利用していたASPカートでは耐えきれず、サーバーが落ちてしまうことが頻繁にあったのです。何とか解決を図ろうと検討していく中で、当時から海外市場を視野に入れていたこともあり、まずは海外製のオープンソースプラットフォームを導入しました。それが2012年頃ですね。

しかし、仕組みを切り替えてもトラフィックは捌ききれませんでした。ちょうど、ECのお客様が日に日に増えている時期で、2~3,000人のアクセスでもキツいなと感じていたところ、あっという間に1万人というレベルになっていきました。

また、当時利用していたプラットフォームでは、商品管理機能にも不安がありました。出荷、SKUの管理、在庫の引き当てや決済のタイミングなどが煩雑になりがちで、そのクセがわかっている人間が休むと回らないという、属人化が起きてしまっていたのです。2、3年後を見据えた対応を考えた時、よりスケーラビリティのあるプラットフォームに変える必要があると思い、SAP Hybris導入を決めました。

――いくつかある大規模コマースプラットフォームの中で、SAP Hybrisを選んだ決め手とは?

システム構築にあたり、とくに柔軟性を重要視していました。国内だけの販売であれば、どのようなトラブルが起きるか、ある程度見通しがつきますが、我々は最初から海外市場を意識していました。海外では、決済に流通にしろ、その国独自の習慣や決まりがある。そういった見通しの利かないものに対応できるレベルの柔軟性を、システムにも求めていました。

SAP Hybrisは、ドイツで作られた製品ですよね。ヨーロッパでは、国をまたいだ商売が大前提です。そうした環境下で生まれたSAP Hybrisは、我々のビジネスと相性が良かったとも言えると思います。

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この記事の著者

渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。
執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。
会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/09/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/26991