電通と東日本電信電話は、インバウンドマーケティングにおけるデータ活用のニーズにワンストップで対応するサービスの事業性検証に向け、2018年1月より共同でトライアルを開始する。
これまでインバウンド関連のマーケティングや具体的な施策を行う際は、SNSデータや位置情報、決済情報などのデータを個々に利用しており、各データを一元的なリソースとして活用する仕組みが整えられていなかった。特に、訪日外国人観光客の増加にともない言語や国籍が多様化していることから、データの収集と発信の両フェーズにおける「正確な多言語翻訳」は重要な課題となっている。
こうした状況を受けて両社は、文化観光に特化したNTT東日本のAI翻訳エンジンを活用し「多言語対応」の課題解決を図る。具体的には、外国語SNS分析から得た外国人のインサイトを活用し、観光周遊ルートや観光資源を抽出。抽出したコンテンツをPeach Aviationが運営する訪日外国人向け旅のプラットフォーム「COMOMO」に反映させ、閲覧した訪日外国人の消費行動の変化を見ることで、効果検証を行う。
今回のトライアルにおいて電通は、地方自治体や事業会社向けのSNS分析で蓄積したノウハウを活用し、外国語SNS分析の設計と外国人の誘客や周遊への示唆を行う。NTT東日本は、文化観光に特化したAI翻訳エンジン「ひかりクラウド cototoba」を活用し、大量の外国語SNSデータを分析可能な日本語に翻訳。さらに独自の学習データを基に、これまで抽出が困難だった観光地名などを含めた分析を担当する。
両社は同トライアルを通して得た知見を基に、訪日外国人へのおもてなしの充実や、多言語マーケティングサービスの拡充を検討していく。
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