話題性と売上がリンクしないジレンマ
――「売れるページとは言えない状況」とのことですが、売上につなげていくためには「話題性」に加えてどういった+αが必要とお考えでしょうか?
和田:今までは、弊社が得意としていました「カタログ」という紙メディアでは、ページをめくっていただくだけで、「こんな商品があったんだ!」とお客様に商品の楽しさや、便利さをお伝えし、気づいていただいていた商品が多くありました。
しかし、「ネット」というメディアでは検索でダイレクトに商品を探されてサイトに訪問されることも多く、じっくりたくさんの商品を見ていただく機会が少なく、一工夫ある商品や個性的な商品に出会っていただく機会が少なくなっています。

そこで、ネットでもカタログと同じように、商品との出会いや商品に気づいていただけるよう様々な企画にトライしています。今回の企画は、SNSで話題になりやすいコンテンツを提供し想像以上の話題となりました。商品との出会いはもちろんのこと、今まで「ベルメゾン」に訪問されたことがない、新しいお客様の来訪も非常に多くなりました。
SNS経由ですぐに売り上げに結びつくことは難しいです。今後の売り上げにつなげていく為に、今回の企画でサイトに来訪し「ベルメゾンにはわくわくする商品がある」と気づいてくださった方に、広告等でさらにご興味のある商品を訴求していこうと考えています。
また弊社会員の方には、サイトやメール等でアプローチすることなどを検討・実施しています。おもしろい商品の紹介やその売り場の見せ方に一層力を入れていくことも、再度サイトに訪問いただき、ゆくゆくは商品をご購入いただく為に必要だと考えています。
――『まじめにこんなのも売ってます。』が話題になった後、和田さんのネット記事やSNSに対する認識に変化はありましたか?
和田:SNSでの話題性を狙った企画ではありましたが、企業発信ではなく一般のユーザーさんの発見、1ツイートからの拡散力は想像以上でした。また、ニュースサイトやまとめサイトへの掲載も、想像よりもスピーディーでした。SNSで話題になるものは拡散も早いが収束も早いと考えていましたが、しばらくたってからも想像よりじわじわとリツイート数が伸びていっていたのも意外でした。

――『まじめにこんなのも売ってます。』の一言キャッチコピーですが、どなたが考えたものなのでしょうか?
和田:基本的にはわたしが考えていますが、商品によっては担当バイヤーや周りの方にネタを提供していただいています。中には、そもそもの商品紹介が素敵なものもあります。パン企画については、もともと弊社カタログ『LIFESTYLE INTERIOR BOOK』の2017年夏号で掲載されていたのですが、おもしろい企画なのにネットで拡散するのに適したページがないのがもったいない、と感じ切り口の一つにしました。