インテージは、同社の「Media Gauge TV」というスマートTVログを用いた「タイムシフト視聴の実態調査」を実施し、結果を発表した。
スマートTVログとは、ネットに接続されたテレビの操作履歴データのことで、チャンネル選択などの行動を秒単位で把握できる。ネットに接続された録画機のデータも収集しており、再生はもちろん、早見再生(倍速再生)やCMスキップなど詳細な操作履歴の分析ができるため、広告主の関心の高い「CM飛ばし」などの視聴実態を浮き彫りにすることが可能になる。
下図は、2017年11月に放送されたあるドラマを「録画番組再生マップ」として視覚化したもの。縦軸は操作率、横軸は番組の経過時間軸を表していて、「どの時点でどのような操作が何%の録画機でされているのか」が分かる。赤く塗られた時間帯は「CM時間」を表し、CM時間帯に再生している録画機は概ね2・3割であることが分かる。つまり、CM時間帯に6割程度の録画機は文字通り「スキップ=CM飛ばし」されている状態であると言える。
同様に、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」のとある放送回のデータを見てみると、先ほどとは全く違う形になっている。
同番組では、音声が聞き取れる程度の早回しで再生される「早見再生」が多用されていることが分かる。「時短で。でも大切な情報は逃したくない」そんなニーズがこうした視聴形態を生んだと考えられる。CM時間帯も早見再生を含め、半数近くが視聴しており、完全にスキップしていた先ほどのドラマとは大きな違いが浮かび上がる結果となった。
【調査概要】
調査手法:インターネット調査
調査地域:京浜(一都三県)
対象者条件:16~59歳の男女
標本抽出方法:株式会社インテージ「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を2015年度実施国勢調査結果にあわせてウェイトバック
標本サイズ:n=2,582
調査実施時期:2018年6月18日(月)~2018年6月21日(木)
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