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CRM徹底活用ガイド(AD)

現場担当者に聞く!
CRM最新事情(前編)

CRM(Customer Relationship Management)は、いまやすべての企業にとって不可欠の課題となっています。しかし一口にCRMといっても、最近はBI分析やデータベースの高度化につれてますますソリューションの複雑化が進み、一般の企業にとっていささかハードルの高いテーマとなってきているのも事実ではないでしょうか? そこで今回は、統合顧客管理システム「Synergy!」を提供するシナジーマーケティング株式会社の現場の最前線で活躍するお二人にCRMを成功させるための「基本とツボ」と「『Synergy!』の機能とメリット」についてお話を伺ってきました(後編はこちら)。

「何のためのCRMか?」この目標を定めずに始めてしまう企業が多い

 「CRMを成功させるのに必要なのは、まず『目標を持って取り組むこと』です。当たり前ではないかと思われるかもしれませんが、この一番の基本が押さえられていないケースが非常に多いのです」と語るのは、シナジーマーケティング株式会社 営業部 CRMコンサルティンググループ マネージャの大塚智公氏です。

同氏によれば、日本の企業の場合これといった獲得目標を立てることなく、まずツールありきで導入してしまって「うまくいかない」、「効果が出ない」と嘆く例が非常に多いといいます。実際に同社がコンサルティングを担当した企業でも、なぜCRMを導入するのかとの質問に「周りの会社がやっているから……」というケースが珍しくないのだとか。

「本来は文字通りCRM=顧客満足度の向上が目標なのに、そこまでの意識を最初からお持ちの方は決して多くありません。しかし、この一見当たり前に見えるポイントを押さえておかないと、いくら優秀なツールを手に入れても、そもそも着地点が見えていないのですからどうにもなりません。ツールから出てくる数字の洪水を、漠然と眺めて終わってしまう結果になりがちです」と大塚氏は指摘します。

左:大塚氏 右:堀首氏

成功のカギは組織を動かすキーマンをつかむこと

 では、実際にどうやってCRMのための目的意識を育てていけばよいのでしょうか。これは、担当者ひとりが考えればすむ話ではありません。CRMは顧客情報を可能な限り幅広く集めて分析し、自社が目指すマーケティング目標に向けてブレイクダウンしていくという大がかりな作業です。つまり、会社の中で「成功に向けた体制作りをどうするか?」ということが重要かつ最初の課題になってくると、同社営業部 CRMコンサルティンググループの堀首裕芳氏は語ります。

 「まず、キーマンを巻き込んだプロジェクト推進をしないとダメです。よくあるケースに、社長のトップダウンで作業担当者がツールを入れて……というのがありますが、こうした“まずツールありき”でスタッフの目的認識を怠っている状態では、他部署が動いてくれません。また、ツールを導入する前には業務面をよく見直すことも重要となります」

 パソコンに詳しいからといった程度の理由で担当者を抜擢しても、その人以外の社員がCRMの必要性や意義を理解していないのでは肝心のスタッフが動いてくれず、いくらひとりで奮闘してもプロジェクトとして回っていきません。そこで、組織の指揮権や決定権をある程度ゆだねられた責任者がプロジェクトのコアとして不可欠なのです。

 「そのことは、導入後にも影響してきます。CRMの評価試算は難しいので、ノウハウのある人もしくはノウハウのある人を動かせる人が中心にいないと、継続的な運用ができないのです」と堀首氏は語ります。

PDCAサイクルを実践し、成功の階段を上がろう

 CRMをプロジェクトとして成功させる上で、もう1つ大事なのは「PDCAサイクル」だと大塚氏は言います。ご存じの通り「PDCAサイクル」とは、情報マネジメントやプロジェクトマネジメントで用いられる典型的なマネジメントサイクルで、「計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善(act)」のプロセスを回しながら、スパイラルで業務や製品の品質改善・向上を行っていく手法です。このサイクルが、CRMの実践においても有効だというのです。

目標設定を明確にすることが大切

 それにはまず導入前に、どういう運用体制を組むのか。それには誰をどの部署に配置して何をさせるのか……といったことをあらかじめ詳細に決めておかなくてはなりません。そして、こうしたPDCAサイクルの運用体制を確立しておくことは、“CRMに取り組んで目標に達しなかった場合”にこそ、有効なリカバリ対策となると大塚氏は指摘します。

 「実際のCRM導入の現場を長年見ていると、むしろ効果を見出せていないケースの方が非常に多いのが実態です。その背景には、冒頭でお話したような“目標を立てず漠然と進めた結果”という例もたくさんあります。しかし重要なのは、たとえ失敗しても、その失敗を合理的に検証して次のステップに活かしながらとにかく少しでも成功に近づくことなのです。そのための業務スキームが回せるようになっていれば、第一段階は成功といっても良いかもしれません」

後編では、統合顧客管理システム「Synergy!」を例に具体的な活用方法をご紹介していきます。

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この記事の著者

Office Louge 工藤淳(オフィスローグ クドウアツシ)

IT系出版社勤務を経て独立、現在フリーランス。もともと文系出身なので、「非技術者が読んで意味がわかるか?」を考えながら書くのが得意。とはいうものの、楽器から建築、自動車まで何でも注文があれば書いてきたのが、気がついたらIT専門のような顔をして仕事をしているというのはナイショ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/05/29 13:36 https://markezine.jp/article/detail/298