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花王廣澤氏が若手視点で聞く、これまでとこれからのマーケティング

若手に知って欲しい、真の「成長」とは?【花王廣澤氏×ムーンショット菅原氏対談】

 花王のマーケター・廣澤祐氏が、業界で活躍しているキーパーソンと対談する本連載。今回はゲストにムーンショットのCEO菅原健一氏を迎え、個人・事業・産業の3つの視点から「成長」について考える。廣澤氏はまず、「若者は“成長しなくてはいけない”という強迫観念に囚われているのではないか」と切り出すとともに、「その結果、『なぜ』成長するのかということに意識が向いておらず、表面的な学びに留まっているのではないか」と疑問を重ねた。これに対し菅原氏はどのように回答したのか。そして、両氏が対談で導き出した真の「成長」とは。

菅原氏が20代向けイベントをする理由

廣澤:今回の対談テーマは「成長」です。若い世代のマーケター同士で会話をしていると、成長するという結果だけに固執しすぎているように感じています。そして、その気持ちを安易に満たすような自己啓発本や無料セミナーなどのコンテンツも多いんですよね。

 しかし、それらから得られる内容によって本当に成長できるのだろうか、と私は思っています。菅原さんは2018年に独立され、企業の10倍成長させる支援に取り組まれていますが、菅原さんにとって個人の成長とはどういったものなのでしょうか。

左:花王株式会社 コンシューマープロダクツ事業部門 キュレル事業部 廣澤 祐氏
右:株式会社Moonshot 代表取締役 CEO 菅原 健一氏

菅原:僕は「成長」を「できなかったことが、できるようになること」と定義しています。廣澤さんの話は「若者が成長することにプレッシャーを感じているのに、正しく学べていないのではないか」という問題になると思います。

 実は、この問題に対する解決策のひとつとして、僕は#20代マーケピザというイベントを主催しています。最近のSNSを見ていると「マーケティングに関するオレ定義」を繰り広げてポジショントークをする光景がよく見られますが、マーケティングは学問で、既に確立された定義があります。

 それにもかかわらず、多くの若手マーケターは「マーケティングとはなんだと思いますか?」のような安易な質問をして、誰かの「オレ流マーケティング」を鵜呑みにしてしまう。この様子に危機感を覚え、マーケティングを正しく知り、学んでアウトプットできる場として、#20代マーケピザというイベントを始めました。

 #20代マーケピザで「マーケティングとはなんですか?」みたいな安易な質問をされたら、僕は「その質問の仕方が間違っているよ」と答えるようにしていますね。

「違い」を楽しむ視点を持つことが重要

廣澤:安易な質問とは、すぐ答えを求めてしまうような質問ということでしょうか。

菅原:そうですね。マーケティングは数学に近いところがあると思っています。数学で大事なのは答えではなく解法を覚えることです。マーケティングも同様で「マーケティングとはなんですか?」「ブランディングとは?」という問いは、解法ではなく答えを知ろうという質問ですよね。つまり、自分で考えていないのです。

 ここには、検索文化が影響していると思います。検索したり、誰かに聞いたりすれば答えが手に入ると思っている人が多くなっているのかもしれません。しかしながら、「検索してもどれが本当かわからない」問題というのが現在増えてきています。

廣澤:インスタントな答えは出ても、解法は検索ではなかなか出てこない。だから、考えることを放棄して、聞き心地の良いオレ流の主張を選んでしまうわけですね。エコーチェンバーやオルタナティブファクトなどといった社会的な問題も、こうしたことが起因しているかもしれません。

菅原:そこから脱却するためには、「マーケティングは学問だから、正しい定義や解法があるはず」と考えることが重要です。調べるうちに、多数の解法があることに気づくはず。そこから、自分は何を選ぶべきかについてマーケターは考えなければなりません。そして、その解法の「違い」に興味を持つことが重要だと思います。

廣澤:若手は、トピックスとしての好奇心ではなく、その先にある本質的な知識や情報の根源に対して好奇心を持ってみることが重要なのですね。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30909

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