ロッテのマーケ理論を司る部署で顧客理解を学ぶ
廣澤:最初に久保田さんのこれまでの経歴を聞いていきます。最初は営業からキャリアをスタートし、マーケティング本部 事業企画課に移り初めてマーケティングに携わったとのことですが、事業企画課ではどのような業務を担当していたのでしょうか。
久保田:事業企画課ではマーケティングフレームワークやロジックを構築してきました。ロッテのマーケティング本部ではロジックを大事にしています。その中で事業企画課は、アイデア一辺倒にならないよう、各ブランドのマーケティングがロジカルに行われることを支援する部署になっています。

廣澤:事業企画課はいつから存在する組織なのでしょうか。
久保田:事業企画課は2019年に立ち上がりました。そこからロッテ独自のマーケティングフレームワークの構築を目指して活動してきました。具体的には、顧客目線に立ったマーケティングを構築すべく、顧客をセグメントごとに細かく分類する手法を確立したり、N=1分析をしてみたりと、各ブランドが顧客目線に立つための先導役をしています。
デプスインタビューのモデレーターやリサーチに関する業務の経験も事業企画課では経験できたので、顧客の声を聞くスキルを培うことができました。
パイの実は「誰かと食べる」お菓子という想起が強い
廣澤:事業企画課という、各ブランドのマーケターを支援する社内コンサル的なポジションを経験したのち、久保田さんは2022年にパイの実・カスタードケーキのブランド担当に異動し、現在も両ブランドのマーケティングを担当しています。
特にパイの実は2024年に45周年を迎えるロングセラーブランドですが、ここからは同ブランドのリニューアルを担当した久保田さんに、パイの実のマーケティングについて伺います。
個人的にパイの実はもちろん食べたこともあるし、子供の頃は友達の家にいくとよく出てきた印象があります。ただ、大人になって手を伸ばす機会が減ってきたと感じるのですが、パイの実におけるカテゴリーエントリーポイントはどこになるのでしょうか。

久保田:パイの実は特殊なブランドで、コミュニケーションツールとして誰かと一緒にお菓子を食べるときに想起されることが多いです。その想起が高いことも踏まえシェアパックという徳用商品も用意しているのですが、通常の箱に入った定番商品であっても半分以上の方がシェアして食べることがわかっています。
廣澤:確かに、1人で箱に入ったパイの実を丸々食べた記憶はあまりないですね。パーティー用お菓子という印象が強いのでしょうか。
久保田:元々パイの実は当時百貨店やデパ地下でしか食べることのできなかったパイ菓子を気軽に食べられるように立ち上げたブランドなので、少し良いお菓子という印象があるのかもしれません。その結果、パーティー需要はもちろん、ちょっと良いものを誰かとシェアしたいというニーズにつながっていると思います。