サイカは「企業の広告宣伝担当者200人に聞いた個人情報保護の規制強化による影響実態調査」の結果を発表した。本調査は、個人情報保護に関する世界的な規制強化の波をうけ、個人データが日常的に活用されているマーケティング現場ではどの程度の関心が向けられ対応に迫られているのか、国内の広告宣伝担当者215名に調査を行ったもの。
個人情報の規制強化に7割が関心示す
広告宣伝担当者215名に対し、GDPRをはじめとする世界的な個人情報保護に関する規制強化の波について、自身の業務・生活に関わる課題としての関心の有無を調査したところ、自身の業務・生活に関わる課題として「強く関心を持っている(58.1%)」と回答した回答者が半数を超えた。
「少し関心を持っている(15.8%)」と回答した回答者を含めると全体の7割を超え、個人情報保護に関する規制強化の波に対する関心の高さがうかがえる。
規制強化関心層の5割が、すでに広告出稿・効果測定業務で影響を受けている
世界的な規制強化の波に関心があると回答した広告宣伝担当者159名に対し、自身の業務・生活への影響の有無を質問したところ、自身の業務に「現在影響が出ている(52.8%)」と回答した回答者が半数を超えた。「今後影響が出る可能性がある(38.4%)」と回答した回答者を含めると全体の9割を超え、大半が自身の業務に影響する課題として捉えていることがわかった。
今後影響が出る可能性を認識するマーケターの9割が、1年以内の対応が必要と回答
自身の業務に「今後影響が出る可能性がある」と回答した広告宣伝担当者61名に対し、対応の必要が生じると想定される時期を質問したところ、対応の必要が生じる時期の想定として「半年以内(39.3%)」「1年以内(50.8%)」と回答した回答者の割合が合わせておよそ9割になり、「1年以上(9.9%)」と回答した回答者はおよそ1割に留まった。
2020年の個人情報保護法の改正を見据えての結果であることも推察されるが、直近で対応に迫られることを想定しているマーケターが大半だとサイカは分析している。
オンライン識別子を含む個人データの取得や、ターゲティング広告に影響が出ている
自身の業務に「現在影響が出ている」「今後影響が出る可能性がある」と回答した広告宣伝担当者145名に対し、影響が出ている、もしくは今後出る可能性がある業務について調査したところ、「オンライン識別子を含む個人データの取得(80.7%、117名)」「ターゲティング広告等の広告の出稿(69.0%、100名)」に回答が集中する結果となった。
影響を受けている比率が高い3業界は「食料・飲料」「化粧品・美容・健康食品」「量販店・飲食」
世界的な規制強化の波に関心があると回答した広告宣伝担当者159名のうち、自身の業務に「現在影響が出ている」と回答した回答者の割合を業界別にまとめたところ、個人情報保護に関する世界的な規制強化によって業務に影響が出ている回答者の割合が多い業界は、「食料・飲料(76.5%)」「化粧品・美容・健康食品(75.0%)」「量販店・飲食(75.0%)」だった。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象:以下の条件を満たす215人の広告宣伝担当者
※インターネット広告を出稿している企業の勤務者(インターネット広告のみを出稿している企業に限定せず、並行してオフライン広告を出稿している企業も含む)
※その企業にて、広告出稿業務、並びに出稿した広告の効果測定業務に現在従事している者
調査期間:2019年7月
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