デジタル広告の抜本的見直しを開始
MZ:今回はオンワードのデジタルマーケティングを担っている酒見さんと小泉さん、そして広告運用を支援しているサイバーエージェントの3者に話をうかがいます。まず、今回なぜYahoo!広告で新たな取り組みを始めたのか、教えてください。
酒見:1年半ほど前から、デジタル広告全般の見直しを始めるようになったのが背景です。「広告って、何のために出しているんだっけ?」と。デジタルマーケティングは数字が見えてしまうがゆえに、数字を改善することだけに頭が働き、とにかく効率の良い媒体に出稿を寄せてしまいがちです。
しかし本来、広告を使うのはオンワードと出会い、知ってもらい、好きになってもらい、購入いただくためです。そのために、各広告プロダクトをどのような目的で使っているかの再定義が必要だと思い、整理を始めました。
その中で、我々が実現したいと思っていた広告配信の形に、ヤフーの広告プロダクトが合致したので、今回新しい取り組みをサイバーエージェント様協力のもと、実施することにしました。
MZ:ちなみに、ROASやCPAといったKPIの数字改善に目が行くことの弊害はなんなのでしょうか。
酒見:本質とズレたマーケティング活動に陥るリスクがあると思っています。たとえば、数字だけを見たらROASやCPAが改善されていても、実はメールマガジン経由でご購入いただくはずだったユーザーを横取りしているだけだったりします。
そういった事態に陥らないよう、広告プロダクトごとにKPIを変更し、それぞれが取り組むべき施策や新たなチャレンジがしやすい体制を構築しました。
オンワードとヤフーの相性がいいことはわかっていた
MZ:オンワードの広告配信の形と、Yahoo!広告が合致していたとのお話がありましたが、具体的にはどのような部分が合致していたのでしょうか。
酒見:元々、我々のサービスのターゲットとヤフーの親和性が高いことはわかっていました。過去にダイナミック広告系のプロダクトを運用していたところ、ヤフーに掲載されるようになってからパフォーマンスが大きく改善しました。
また、オンワードでご購入いただくお客様は少しコンサバティブな特徴があるのも大きいと思います。たとえば、我々のECでスマートフォンからの購買が増えるのは、他と比較しても遅い状況でした。ヤフーをポータルサイトとして利用するような方との親和性が高いと感じており、ヤフーの動的ディスプレイ広告を活用すれば、良い結果が得られるのではないかと考え、広告運用の中心に据えることに決めました。