インターブランドは、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2020」を発表した。同ランキングはグローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化したもの。2000年から今年で21回目の発表となる。
以下、一部内容を紹介する。
Appleが8年連続で1位に 7年連続2位だったGoogleは順位を下げる
今年のランキングでは、Appleが8年連続で1位となり、前年比38%増の3,230億ドルに。前年比60%増のAmazonは2位で2,007億ドル、前年比53%増のMicrosoftが3位で1,660億ドルとなった。2013年より2位をキープしていたGoogleは4位に下落、前年比1%減で1,654億ドルだった。また、5位のSamsungは前年比2%増の623億ドルで、初のTop5入りとなった。
全体では、ソーシャルメディアとコミュニケーションブランドが躍進し、Instagram(19位、261億ドル)、YouTube(30位、173億ドル)、Zoom(100位、45億ドル)が初めてランクイン。また、Tesla (40位、128億ドル)とJohnnie Walker(98位、46億ドル)が、再ランクインを果たした。
Top5 Growing Brands(最も成長率の高い5ブランド)は、Amazonが前年比60%増、Microsoftは前年比53%増、Spotifyは前年比52%増、Netflixは前年比41%増、Adobeは前年比41%増に。コロナ禍の影響によりオンラインサービスブランドが発展を遂げ、2桁成長をしたブランドの6割がサブスクリプションのビジネスモデルを採用していた。また、PayPal(60位、前年比38%増)、Mastercard(57位、前年比17%増)、Visa(45位、前年比15%増)も、それぞれブランド価値を高めている。コロナ禍で、主要な支払方法として電子決済への急速な移行が進んだことや、ロックダウンの中で地元のビジネスをサポートするプログラムを迅速に展開したことなどが功を奏した。
日本ブランドに関する分析
Toyota:7位/516億ドル(前年比8%減)
昨年に続き7位、17年連続で自動車ブランドの最高位となったToyotaは、CASEの時代に合わせたビジネスモデルの転換を図り、「モビリティカンパニー」へのフルモデルチェンジを宣言、CES2020では「コネクティッド・シティ」プロジェクトを発表。業界を超えたアライアンスにより、「人」が中心となる未来の実現に向けた活動を着実に進めている。2020年、愛車サブスクリプション「KINTO」の本格的開発支援の一つとして、ヨーロッパにも展開することを発表。またRAV4は、トヨタ車としては9年ぶりにCAR OF THE YEAR JAPAN 2019-2020を受賞するなど、2019年の3四半期で売上は前年度を上回り、日本の企業として初めて30兆円を突破している。
Honda:20位/217億ドル(前年比11%減)
Hondaは、主軸である二輪、四輪事業のビジネスで苦戦する一方で、ラリーやHonda Jetなどでは成功を収め、本田技研工業の直下にR&D部門を移行するなど、事業一体のR&Dに注力。2025年までにヨーロッパで販売されるすべての四輪を電気自動車に置き換えることを宣言している。「人のココロとつながるクルマ。」がコンセプトのBEV(バッテリー式電気自動車)「Honda e」は、Red Dot Design Awardsで、年間の最高賞であるBest of the Best 2020を受賞。日本で展開された企業テレビ広告「Go, VantagePoint.」は、YouTubeで視聴回数(1,500万回)を獲得し、消費者との高いエンゲージメントを築いている。
Sony:51位/120億ドル(前年比14%減)
Sonyは、エレクトロニクス企業から創造的なエンターテインメントブランドへのシフトを加速。エレクトロニクス事業やゲーム&ネットワークサービス事業に加え、イメージング&センシングソリューション事業が成長をドライブしている。2019年度の見通しは2018年度に及ばないものの、近年の財務業績は安定。2020年1月には、ITバブル期以来となる時価総額1兆円の突破も果たしている。コロナ禍においては、最前線の医療に従事する人々、遠隔で学ぶ子供や教師、エンターテインメント業界全体に携わる人々など、Covid-19の影響を受けた、世界中の人々を支援する1億ドルの救援基金を創設し、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。
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