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「人と機械の共生を模索せよ」来年出版されるコトラーの『マーケティング5.0』、共著者が内容を紹介

2020/11/19 09:00

 現代マーケティングの父 フィリップ・コトラー氏が率いるワールド マーケティング サミット(WMS)。今年は「Ideas for Critical Times(危機を乗り越えるためのアイデア)」をテーマにオンラインで世界同時開催した。本記事ではコトラー氏との共著を手がけてきたMarkplus社 CEO イワン・セティアワン氏による、マーケティング5.0の世界についての講演内容を紹介する。

目次

マーケティング5.0の主題は“Technology for Humanity”

 インドネシアのMarkplus(マークプラス)社 CEO イワン・セティアワン氏。コトラー氏およびMarkplus社の創業者ヘルマワン・カルタジャヤ氏とともに、マズローの欲求5段階説をマーケティングにあてはめた『Marketing 3.0: From Products to Customers to the Human Spirit(コトラーのマーケティング3.0)』を上梓したのは2010年のことだ。2016年には同3人で『Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital(コトラーのマーケティング4.0)』を共著した。

 そして2021年にはいよいよ『Marketing 5.0: Technology for Humanity』が出版される。アジアのマーケティングエースと呼ばれるセティアワン氏はそのプレビューとして、これからマーケターにとって重要になるテクノロジー活用について解説した。

インドネシア Markplus(マークプラス)社 CEO イワン・セティアワン氏
インドネシア Markplus(マークプラス)社 CEO
イワン・セティアワン氏

 セティアワン氏は冒頭、マーケティングの進展を概括。マーケティング3.0は伝統的マーケティングから脱却する第一歩であり、その4年後に発表したマーケティング4.0は、伝統的マーケティングからデジタルマーケティングに軸足を動かした時だった。デジタルマーケティングは大きく成長していたが、「今振り返ってみると、当時のテクノロジーの捉え方は限定的なものだった」とセティアワン氏は語る。マーケティング5.0では、マーケティング活用するテクノロジーの理解、洞察が深くなり、より洗練されるという。

 「このマーケティング段階の進化は、デジタル環境の変化と歩みを共にしています。これは、需要に応えるのに適したツールが、テクノロジーの進展とともに変わってきたことと同期しているのです」(セティアワン氏)

マーケティング3.0(2010年刊)、4.0(2016年刊)、5.0(2021年刊予定)を共著
マーケティング3.0(2010年刊)、4.0(2016年刊)、5.0(2021年刊予定)を共著

伝統マーケティングとの並走から、洗練されたデジタル活用へ

 ここでコトラー氏が提唱するマーケティング5段階説を振り返ってみよう。「マーケティング1.0」は1950年~70年、ベビーブーム世代(筆者注:主に1946~1964生まれ)が対象だった。売り(セリング)起点でワン・フィッツ・オールの単一製品を提供し、「製品中心のマーケティング」が展開されていた。

 次に「マーケティング2.0」は、1980年~90年にかけて興隆し、個人個人に合った製品、機能、チャンネルを提供、X世代(筆者注:主に1965~1980年生まれ)に訴求する「顧客中心のマーケティング」だった。顧客は自分に必要な商品を強く求めるようになり、企業はパーソナライズされた製品とサービス、販売方法を届けるようになった。

 2010年からの「マーケティング3.0」は、人間性も重視するマーケティングだ。消費で社会を変えようとするY世代(筆者注:主に1980年~1990年代生まれ)向けに精神的なつながりを生むブランドを築く「人間中心のマーケティング」だった。商業的なニーズにのみ注目するのではなく、社会に良い影響を与えるブランドが支持された。

 そして、2016年からの4年間の「マーケティング4.0」は、「伝統的なマーケティングからデジタルマーケティングへの移行期」となった。Y世代に加えZ世代(筆者注:主に2000~2010年生まれ)が対象で、これらの世代の特徴は生まれた時からデジタル機器を使ってきたデジタルネイティブだ。これらを踏まえた上でセティアワン氏は、「マーケティング4.0ではまだ完全にデジタルではなく、伝統的マーケティングとの並走でした。しかしマーケティング5.0ではより洗練されたテクノロジーを使用します」と述べる。

マーケティング段階を上がるペースが加速していることがわかる(タップで拡大)
マーケティング段階を上がるペースが加速していることがわかる
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