2回目となる今回は、「CGM」「動画共有」といった、いま話題のキーワードをテーマとしたセッションが予定され展示ブースも盛況な賑わいを見せていた。
「激変するメディア、CGMの可能性と未来について」と題したセッションでは、モデレーターは慶応大学の中村伊知哉氏、パネラーに第2日本テレビ事業本部ED 土屋敏夫氏、フジテレビラボLLC営業企画部 井上裕基氏、サイバーエージェントアメーバ事業本部マネージャー 一谷幸一氏、データセクション代表取締役/メタキャスト取締役 橋本大也氏というメンバーでのディスカッションが行われた。
中村氏からの「ネットとテレビの融合について」という問いに対し、土屋氏は「もう『融合』という言葉は聞き飽きた」と言い「古くはテレビがインフラとして機能していたが、いまはインターネットがインフラとなりつつある。第2日本テレビはインターネットなりの表現を追求していきたい」と述べた。
フジテレビラボLLCの井上氏は、「テレビとネットでは見たいコンテンツが違う。テレビは受動的に見るのに対しネットは能動的で、いわゆる『濃いコンテンツ』が好まれる傾向にある」とし、広告ビジネスの部分ではナショナルクライアントの高まりを感じていると語った。
一方、橋本氏は「東京MXテレビで放送中の『BlogTV』にゲスト出演をしたけれど、東京MXテレビの見方がわからなくて、結局ネットで見てしまった」と話し、テレビ局がネットを利用する際の方法がさまざまであることを示唆した。
「CGMがビジネスになるのか?」という話題にうつると、土屋氏は「送り手側の『吟味』があった従来とは違い、送り手側の『気持ち』がコンテンツとして流通するのがCGM。それがビジネスになるとすれば、旧来のビジネスモデルとはまったく違うものになってくると思う」と語った。また一谷氏は「CGMの場合、思いもよらないものがヒットする可能性を秘めている。コンテンツの部分も重要だがユーザーがいかに使いやすい環境を作るかが大切」と述べた。
いま、インターネットは単なる「道路」から人が集まる「広場」へと急激な変化を見せている。「ネットとテレビの融合」は以前からトピックとしてあがってはいたが、その具体的な将来像はまだ模索状態という印象を受けた。今後も各社の動きから目が離せない。