「お勧め・紹介されるものを見る」ことが多い理由
では、情報収集において、【自分で探す】から【お勧めを見て出会う】へ、どの程度移行が見られるのでしょうか。
以下は、インターネットで情報を得る際に、「自分で検索して探す」ことと、「お勧め・紹介されるものを見る」ことの、どちらを行っている割合が高いかを表したグラフになります。

「B:お勧め・紹介されるものを見る」のほうが多いと答えた割合について見ると、Z世代では34.1%、ベビーブーマーでは8.5%となっており、年代が上がるにつれて割合が減っていることが分かります。つまり、情報取得の方法は、若年層から徐々に「お勧め・紹介されるものを見る」へシフトしていっている傾向が見受けられます。
「お勧め・紹介されるものを見る」が増えた理由としては、下記のような声があがっておりました。

お勧めを見ることで必要な情報が手に入るため、自分で探さなくても情報が事足りるようになってきている様子が見られます。
調べることをやめた人々の心理
では、人々が調べることをしなくなってきている背景には、どういった心理があるのでしょうか。以下は、情報収集の内容別に、調べることがどの程度心理的負担になっているかを聞いた結果のグラフです。

「仕事や勉強等の必要に迫られた情報収集」では、Z世代では47%、Y世代では37.5%、X世代では24.6%が負担に感じています。「悩みや困りごとの解決のための情報収集」でも、Z世代では38.7%、Y世代では38.9%、X世代では17.4%が負担に感じています。Z世代とY世代はその他の情報収集においても、負担を感じる割合が他の世代よりも高く、X世代はそれに続いていることから、年齢が若いほど、情報収集を負担に感じていることが分かります。
負担に感じている理由としては、下記のような声があがりました。

たくさんの情報がインターネットにあふれる昨今、人々が本当に必要な情報の取捨選択を難しく感じている状況が垣間見えます。
「調べない時代」に企業の情報に触れてもらうには?
テクノロジーは時代と共に進化していくことを考えると、レコメンド機能はこのままさらに精度があがっていくと考えられます。それに伴い、「お勧め・紹介されるもの」が目に留まる機会も一層増えていき、消費者は今後ますます調べなくなっていくことが予想されます。
ますます調べなくなっていく消費者を前に、企業は公式サイトで単純に情報を発信するだけでは閲覧されなくなっていく可能性があります。そのため、今後はYouTubeやInstagramなどの「情報をお勧めする」プラットホームへ積極的に公式サイトの情報をアップし、公式サイトへの導線を引くことで、見てもらえるように工夫することがより重要になっていくと考えられます。
また、公式サイトではそこでしか見ることができないオリジナルの情報を公開する等、媒体としての価値を高めていくことも必要になるでしょう。今後は、調べない時代に合わせた情報の届け方を模索する必要があるといえそうです。