SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

2021年現在のメルマガのメリットは?リソースのない企業こそ使える「Cuenote FC」の新機能

 消費者とのコミュニケーション手段は多様化している昨今、改めてメールでコミュニケーションする重要性はどこにあるのか。阪急阪神ホールディングスグループのユミルリンクが、メール配信サービス「Cuenote FC」をリニューアル。開発担当者に新機能のメリットや効果的な活用方法を伺った。

多様な手段がある今日、メールコミュニケーションの利点は?

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに自己紹介をお願いします。

及川:開発部シニアマネージャーの及川です。開発全般のマネジメントがメイン業務で、Cuenote FCに関しては開発にも携わっています。

和宇慶:同じく開発部で、フロントエンジニアを務めている和宇慶です。私は主にお客様が操作される画面のUIやUXの部分で、モック作成から実装までを担当しています。

(左)ユミルリンク株式会社 技術本部 開発部 シニアマネージャー 及川英夫氏(右)同社 同部 開発4課 和宇慶陽氏
(左)ユミルリンク株式会社 技術本部 開発部 シニアマネージャー 及川英夫氏
(右)同社 同部 開発4課 和宇慶陽氏

MZ:ユミルリンクの提供するメール配信サービス「Cuenote FC」は現在1,800以上の導入実績を有し、大企業からSMB領域まで広く活用されています。消費者とコミュニケーションを取る手段が多様化している今、企業はメールコミュニケーションのどのような点をメリットと捉えているのでしょうか?

及川:メールはこの20年ほど、顧客とコミュニケーションを取る手段として利用されてきました。ですが、昨今のSNSをはじめとする新しいコミュニケーションチャネルの台頭は明らかです。これを受けて、実は我々も正直、メールによるコミュニケーションは下火になるのではと懸念したこともあります。しかし、他のチャネルと比較してリッチコンテンツの送信に向いているというメールならではの優位性が揺らぐことはありませんでした

 インスタントにメッセージを伝えるSNSやテキストベースのコミュニケーションでは、タイムラインに掲載できる情報量に限りがあります。既存のお客様とのコミュニケーションから自社のファン、ロイヤルカスタマーを醸成していく段階においては、一定の情報ボリュームを的確に届けられるメールのほうが有用であるとも考えられます。

 また、メールはより購買に近いコミュニケーションである点も特徴です。当然、配信にはメールアドレスが必要ですから、コミュニケーションを取れるのは既知の会員様のみとなり、自然検索やアプリなど非会員との接触を図れる媒体に比べると、母数は小さくなります。ですから、メールを起点にECに来訪される方が全体に占める割合は多くありません。しかし、購入金額に占める割合では、集客シェアの3倍以上という数字があります。メールコミュニケーションは、それだけ売り上げに貢献しているのです。

MZ:たしかに、メールコミュニケーションが購買に近いというのは、自分自身の行動を振り返っても納得できますね。

及川:さらに、世の中の流れとして、サードパーティーCookieの規制があります。その点、メールアドレスはファーストパーティーデータであり、顧客コミュニケーションにおいての重要性が見直されています。

MZ:では改めて、Cuenote FCの特徴を教えて下さい。

及川:Cuenote FCは、メールを大量かつ高速に一括配信できるASP/SaaSサービスです。大きな強みであり特徴的なところは、配信性能が高く、少ないサーバーリソースかつ短時間で、より多くのメールを配信できること。たとえば、「今日からセールを始めます」という案内メールを送る時、その日中に全会員にメールが届かないと、キャンペーン全体の効果が薄れてしまいます。会員数が少なければ問題ないのですが、会員数が数百万以上になってくると、いかに短時間でメールを送り切るかというのは非常に重要なポイントになるのです。その点、Cuenote FCは1時間で1,000万通、月間53億通の送信実績があります。

メルマガ担当者が自らWebフォームの作成までできる

MZ:今回新しい機能を実装されたとのことですが、どのような機能か、詳しくご紹介いただけますか?

和宇慶:企業の担当者にメールマーケティングのノウハウがなくても、メールの制作から配信、効果測定までのPDCAを回すことができるよう、これまでも「使いやすさ」にこだわってUI/UXの開発・改善に注力してきました。今回のアップデートで搭載したのは、直感的なマウス操作でWebフォームを制作できる機能です。ページデザインや背景色、文字サイズ、文字色などもクリックひとつで変更でき、専門知識がない方でも簡単にWebフォームを制作、デザインも柔軟にカスタマイズできます。

画像の挿入やレイアウト変更などもUI上から簡単に行える
画像の挿入やレイアウト変更などもUI上から簡単に行える

MZ:メール運用の担当者が自らWebフォームを作成できるということですね。

和宇慶:はい。今までは詳細な設定ができるようにHTMLコードを入力する必要がありました。ですが、コーディングを含めたフロントバックの開発要素に関する知見は、必ずしもすべてのマーケターや販促担当の方にあるわけではなく、知識の有無でフォーム作成の難易度に大きな差が出てしまっていました。そこで、中小企業様や顧客接点を担う販促やマーケティング担当者の人数が少ない企業様、担当者がメルマガ以外の業務も兼務されている企業様など、人的リソースを十分に割けない企業様の課題を解決するために機能の開発に至りました。

及川:先にお話しした通り、大量のメールを短時間で配信できるという特長から、これまでCuenote FCは配信規模の大きい大企業を中心に採用されてきました。今回の新機能は、中小企業や配信規模が比較的小さいお客様にも導入コストや導入後の運用を不安に思うことなく、簡単な設定だけで手軽にご使用いただけるように開発したものとなっています。

変更のリードタイムを短縮し、運用をスピーディーに

MZ:ユーザーの課題感は、社内リソースの不足だけでしょうか?

及川:自社内にリソースがない場合は、社外に依頼することになります。そうすると、たとえばフォームの項目を1つ追加するなど、ささいな変更をしたい時にも社外に依頼しなければならず、コミュニケーションが煩雑になりがちです。場合によっては、工数で工賃の見積もりをとって、社内で承認を得るところから始まり、納品までに複数のプロセスが必要になるケースもあります。手間やコストがかかり、リードタイムに大きな差が生じるため、スピーディーな運用には程遠い状況となっていました。

 また、フォームがあっても、スコアリングやシナリオなど高機能なものは使いこなすのが難しかったりします。Cuenote FCの新機能は、こうした課題を解消する目的もありました。特にBtoC企業なら、会員情報に興味のあるジャンルを追加したり、個人情報のポリシー変更で再同意を取ったりといった変更を、フォームで完結することができます。

会員専用ページも柔軟に設計可能

MZ:新機能は、具体的にどのようなシーンでの活用が考えられますか?

和宇慶:想起しているユースケースとしては、メルマガ登録用のページや会員制のサイトの構築などがあります。ログインした会員だけに表示するマイページを設定し、クーポンや保有ポイントを反映することも可能です。

名前やポイント数など、会員ごとに異なる情報をページに表示できる
名前やポイント数など、会員ごとに異なる情報をページに表示できる

 マイページ機能では、受信希望のメールジャンルや趣味嗜好などを登録時にチェックボックスで選択してもらい、メール配信時にはチェック項目で振り分けて配信することができます。フォームの設定次第では、会員が住所やメールアドレスなどの情報を自ら編集する仕様にすることも可能です。

MZ:新機能は直感的な操作で、誰でも簡単に使用することができるということですが、UIやUXの部分は、ユーザーの意見が非常に反映される部分だと思います。そういった声は、どのように吸い上げられているのですか?

及川:カスタマーサポートや場合によっては営業部から、ご利用中のお客様からのご要望という形で、UI・UXをはじめ機能面を含む改善希望を伺う機会を多く設けております。お客様にとっての使い勝手やマーケティング施策の効果向上により直結する部分などを中心に、いただいたご意見をフィードバックし、順次、Cuenote FCの機能として実装しています。

性能の良さにこだわって、機能を拡充してきたい

MZ:最後に今後の展望をお聞かせください。

和宇慶:今回のアップデートで、Webフォームや会員サイトの作成・変更がとても手軽になりました。ただ、ヘッダーとフッターに関しては、企業ごとに細やかなレイアウトができるよう、まだソースコードで記述する仕様のままになっています。今後はこの部分も含めて、レイアウトや背景画像、色の組み合わせなどについても多彩なテンプレートを用意し、選択するだけで設定できるようなUIにしたいですね。特に配色にはセンスが求められるので、色の系統ごとにセット化を考案中です。選べる機能をたくさん追加し、より簡単で直感的な操作を実現したいです。

及川:ユミルリンクにはメール配信サービス「Cuenote FC」のほかに、ショートメッセージ配信サービス「Cuenote SMS」や、Webアンケート・フォームシステム「Cuenote Survey」などの製品もあります。今後はこれらの製品間での連携やメール、SMS以外の新しい配信チャネルへの拡大も視野に入れています。

 ただ、機能を追加していく中でも、基本性能の良さは会社設立時からのこだわりですので、性能面は決して妥協しません。使い勝手を改良しつつ、大規模なユーザー様にも安心して使っていただける性能も担保しながら、機能開発を進めていきます。

「最もメールが送られる曜日は●曜日」「コロナ禍におけるメルマガの変化」など、独自調査による最新のメルマガ活用トレンドを公開中!

ECメルマガ調査レポート2021

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/11/25 10:00 https://markezine.jp/article/detail/37779