多様な手段がある今日、メールコミュニケーションの利点は?
MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに自己紹介をお願いします。
及川:開発部シニアマネージャーの及川です。開発全般のマネジメントがメイン業務で、Cuenote FCに関しては開発にも携わっています。
和宇慶:同じく開発部で、フロントエンジニアを務めている和宇慶です。私は主にお客様が操作される画面のUIやUXの部分で、モック作成から実装までを担当しています。
MZ:ユミルリンクの提供するメール配信サービス「Cuenote FC」は現在1,800以上の導入実績を有し、大企業からSMB領域まで広く活用されています。消費者とコミュニケーションを取る手段が多様化している今、企業はメールコミュニケーションのどのような点をメリットと捉えているのでしょうか?
及川:メールはこの20年ほど、顧客とコミュニケーションを取る手段として利用されてきました。ですが、昨今のSNSをはじめとする新しいコミュニケーションチャネルの台頭は明らかです。これを受けて、実は我々も正直、メールによるコミュニケーションは下火になるのではと懸念したこともあります。しかし、他のチャネルと比較してリッチコンテンツの送信に向いているというメールならではの優位性が揺らぐことはありませんでした。
インスタントにメッセージを伝えるSNSやテキストベースのコミュニケーションでは、タイムラインに掲載できる情報量に限りがあります。既存のお客様とのコミュニケーションから自社のファン、ロイヤルカスタマーを醸成していく段階においては、一定の情報ボリュームを的確に届けられるメールのほうが有用であるとも考えられます。
また、メールはより購買に近いコミュニケーションである点も特徴です。当然、配信にはメールアドレスが必要ですから、コミュニケーションを取れるのは既知の会員様のみとなり、自然検索やアプリなど非会員との接触を図れる媒体に比べると、母数は小さくなります。ですから、メールを起点にECに来訪される方が全体に占める割合は多くありません。しかし、購入金額に占める割合では、集客シェアの3倍以上という数字があります。メールコミュニケーションは、それだけ売り上げに貢献しているのです。
MZ:たしかに、メールコミュニケーションが購買に近いというのは、自分自身の行動を振り返っても納得できますね。
及川:さらに、世の中の流れとして、サードパーティーCookieの規制があります。その点、メールアドレスはファーストパーティーデータであり、顧客コミュニケーションにおいての重要性が見直されています。
MZ:では改めて、Cuenote FCの特徴を教えて下さい。
及川:Cuenote FCは、メールを大量かつ高速に一括配信できるASP/SaaSサービスです。大きな強みであり特徴的なところは、配信性能が高く、少ないサーバーリソースかつ短時間で、より多くのメールを配信できること。たとえば、「今日からセールを始めます」という案内メールを送る時、その日中に全会員にメールが届かないと、キャンペーン全体の効果が薄れてしまいます。会員数が少なければ問題ないのですが、会員数が数百万以上になってくると、いかに短時間でメールを送り切るかというのは非常に重要なポイントになるのです。その点、Cuenote FCは1時間で1,000万通、月間53億通の送信実績があります。