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戦略的に味方を集め、営業を高度化 USEN ICT Solutionsが稼ぐBtoB組織を作れた理由


営業経験のあるマーケターは着眼点が違う

祖谷:現職で4社目とのことですが、短期間でそこまでの成果を出せるようになったキャリアの原点はどこにあると思いますか。

泉:10数年間の営業時代にあると思います。私は会社の標準テンプレに沿った提案ではなく、お客様ごとにカスタマイズした提案を大事にしてきました。マーケティングの基礎を作れたのは営業経験のおかげ。営業の現場を知らずしてマーケティングはできないとも思います。

泉:実際、私のチームのメンバーを見ていても、営業経験があるマーケターは着眼点が違います。営業経験がないと、ペルソナの心理を理解したアクションプランが思いつきにくいんです。マーケ部門における営業経験者の割合は、半分程度が望ましいのかもしれません。

祖谷:キャリアの話が出たところで、泉さん自身のマーケターとしてのキャリア目標を聞いてみたいです。

泉:全員から感謝されるマーケターになりたいですね。マーケが営業と同じように“稼ぐ組織”であることを証明するには、売上への貢献度を説明する必要があります。

 たとえば、マーケが営業の介在なしに粗利300万円の貢献をしたとしましょう。それがたとえ互恵であっても、利益率が20%であれば会社にとって「1,500万円の売上創出」になります。社内のボードメンバー会議で、私がことあるごとにマーケの売上貢献度を説明するようにしているのはそのためです。

オウンドメディアの運営で“稼ぐマーケ”に

祖谷:デジタルマーケティング推進室の室長として、組織作りの目標も教えてください。

泉:一般的にマーケはコストセンターだと考えられていますが、私は「マーケ単独で稼ぐ組織にしたい」という考えのもと、取り組みを進めてきました。具体的に言うと、オウンドメディアで広告収入を得られるようにしたんです。今では多い時で月に250万円ぐらいの広告収入を得ています。追加投資をしたい時に予算の捻出根拠を自分で作れますし、マーケターとして視野を広げることにも役立っています。「チャレンジは無限に」が私のマーケター精神の中核にあると言えるかもしれません。

祖谷:そのアイデアを実践できる人はなかなかいないと思います。

泉:今、機械学習でモデル構築をしている部下がいるんです。仮にその部下が失敗しても「成功できると信じて頑張れ」と背中を押し、自由なチャレンジを促すことのできる環境を作るのも私の仕事だと思っています。チームメンバーが幸せになる組織作りを常に意識しているつもりです。

祖谷:泉さんの下では、メンバーが積極的にチャレンジできるんですね。最後に、今後の展望を教えてください。

泉:理想は「メルマガのオプトアウトゼロ」ですが、非現実的であることは承知しています。現実的な目標として「UISからのメルマガを読むのが楽しみ」と言ってくれる人をもっと増やしたいです。

 昔に作ったコンテンツでも、今の文脈に合わせて提供すれば喜んでもらうことは可能です。ごく最近も、サイバーテロの脅威の高まりを踏まえたメルマガを送ったところ、CVが大きく伸びました。時勢に敏感な会社だと思ってもらいたいですし、願わくば「UISに聞くと必ず良いことがある」と思ってもらいたいですね。

 変革は始まったばかり。山を越えたと思ったら、すぐに地殻変動が始まってまた新しい山ができるような日常ですが、より大きな成果を得られるようにしていきたいです。

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この記事の著者

祖谷 考克(ソタニ タカヨシ)

アドビ株式会社 DXインターナショナルマーケティング本部 執行役員 本部長

広告会社にてマーケティング領域全般のプロデュース業務に約15年従事。ブランドマーケティングだけでなく、デジタルコミュニケーション戦略立案、施策最適化など、デジタル領域でのプラニング/プロデュース業務も担う。2013年よりアドビに...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/10 10:45 https://markezine.jp/article/detail/39080

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