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アイレップと探るライブコマース最前線(AD)

“祭り”を購買につなげる!「Twitterライブショッピング」の活用ポイントを徹底解説

 ライブコマースへの注目が高まっている。特に若年層を中心に、数年前とは異なる使われ方で浸透している状況だ。本連載では“2022年型”のライブコマースの特徴を「場」「人」「コンテンツ」の観点で整理。第2回にあたる本稿では、SNSプラットフォームという場にライブコマース機能が加わったTwitterの新プロダクト「Twitterライブショッピング」について、アイレップの武者慶佑氏とTwitterの諌山絵理香氏に聞いた。

Twitterにライブコマース機能が搭載

MarkeZine編集部(以下、MZ):初めにお二方の自己紹介をお願いします。

諌山:Twitter Japanで広告プロダクト全般のプロダクトマーケティングを担当しています。本国のプロダクトチームと連携し、新しいプロダクトのローンチやアップデートなどを通して、ビジョンやコンセプトを日本と韓国地域の広告主様にお伝えしていくことが主なミッションです。

Twitter Japan 諌山絵理香氏
Twitter Japan 諌山絵理香氏

武者:アイレップでライブコマース・エヴァンジェリストを務めています。ライブコマースの成功モデルを体系化し、発信していくことが私のミッションです。最近では、クライアントがライブコマースを立ち上げる際の戦略立案や、開始後に効果を高めるためのコンサルティングに携わることも増えてきました。

アイレップ ライブコマース・エヴァンジェリスト 武者慶佑氏
アイレップ ライブコマース・エヴァンジェリスト 武者慶佑氏

MZ:本連載では、2022年型のライブコマースの特徴を「場」「人」「コンテンツ」の観点で整理しています。今回はTwitterという場に実装された新プロダクト「Twitterライブショッピング」について、詳しく伺えますか?

諌山:まずTwitterショッピング全体について説明しますね。私たちが目指しているのは、Twitterを使っているあらゆるプロフェッショナル(クリエイター、非営利団体、開発者、中小企業、大手ブランドなど、Twitterを商用目的で利用する個人または団体)のビジネスを最大化していくことです。プロフェッショナルたちが商品やサービスをシンプルに見せられる場を提供することで、ビジネス促進のお手伝いをしています。

 Twitterライブショッピングは、ユーザーがTwitter上でライブ配信を視聴しながら紹介されている商品を購入したり、ライブイベントに関するツイートしたりできるプロダクトです。アメリカでは一足早く一般公開していましたが、日本を含むそれ以外の国では現在ベータ版として展開しています。

ライブ視聴から口コミの閲覧、購入まで

諌山:Twitterライブショッピングの特徴的な機能は二つあります。一つ目が「バナー機能」です。ライブイベントの開催中、販売者が紹介したい商品のバナーを5分ごとに表示できるため、おすすめ商品があるときにとても有用です。

Twitterライブショッピングの主な機能
Twitterライブショッピングの主な機能

諌山:二つ目が、ライブイベント開催中にイベントそのものや紹介されている商品に関連するリアルタイムの会話が時系列で表示される「Latest(最新タブ)」です。

武者:ライブ配信と同じ画面で口コミを閲覧できるのは本当に便利ですよね。ライブ配信で気になる商品と出会ったとき、口コミをTwitterでチェックする人は元々多いんです。販売者がどんなにおすすめしても、やはり利用者による口コミを確かめてから購入を検討したいのでしょう。販売者のメッセージだけでは信ぴょう性が低いですからね。

諌山:イベント視聴から口コミチェック、購入まで同じプラットフォーム内で完結できるのはTwitterライブショッピングの強みですね。ユーザーがTwitter上のブラウザ内で楽天やAmazonなどのECサイトへ簡単に遷移できるので、自社ECサイトを持たない企業でもTwitterライブショッピングを利用いただくメリットは大きいです。

イベント性の高いプロモーションやシーズナル訴求と相性抜群

MZ:どのようなニーズを持つ企業がTwitterライブショッピングを活用すべきだとお考えですか。

武者:Twitterライブショッピングは、ほかのライブコマースのようにコツコツLTVを高めていくコミュニティ型というより、瞬間を捉えてパルス的に盛り上げるお祭りのような、イベント性の高いプロモーションに向いていると思います。○○の日やクリスマスなど、シーズナルな訴求には最適ですね。お祭り好きな日本人にぴったりのプロダクトではないでしょうか。

武者:Twitterライブショッピングを活用すると、企業は参加型の企画も実施しやすいでしょう。たとえば事前に「ライブイベントに関わるツイートは、このハッシュタグをつけてね」と告知しておけば、皆で盛り上がれますし、過去に実施したキャンペーンをまとめておくこともできます。

 またフロー型のTwitterは投稿がタイムラインに流れるため、視聴者数の増加も期待できます。お祭りに参加しているノリで商品を購入する人もいるでしょう。この性質から、どちらかというと高額商品よりも手頃な価格帯の商品のほうが相性は良いと思います。

諌山:“話題化”はTwitterの特徴ですよね。アメリカではセレブリティや有名人を起用して大きなトレンドを生み、結果としてブランドの認知を上げた事例もあります。フルファネルで認知獲得から購入まで持っていくことができるのです。「そのブランドにはそこまで興味がなかったけれど、起用されている有名人には興味がある」という人たちにもアプローチできています。

述べ33万人以上が視聴したQoo10のテスト運用

MZ:日本での正式リリースに先立ち、eBay Japanが運営するオープンマーケットプレイス「Qoo10」とのテスト運用を実施されたそうですね。

Qoo10のサイトトップ
Qoo10のサイトトップ

諌山:Qoo10ではこれまで、ショッピング機能はついていない「Twitterライブ」という別のプロダクトを活用いただいていました。Twitterライブを通してオリジナル番組を何度か配信する中で「Qoo10を好きな利用者はK-POPや美容に興味がありそうだ」というインサイトを発見し、このインサイトに基づいて2022年3月にTwitterライブショッピングでライブショッピングを実施。K-POPと関連性が高い韓国のスキンケアブランド「魔女工場」の商品を販売いただきました。

武者:結果、大成功でしたね。延べ33万1,000人が視聴し、Qoo10に関するTwitter上の会話量はライブ中に期間平均会話量の約4倍まで達しました。魔女工場の限定セットはQoo10総合ランキングの1位と2位にランクイン。多くの視聴者を獲得するだけでなく、購買にも効果的に誘導できた好例です。アーカイブ動画がシェアされたり、タイムラインに残ったりするところを見ても、反響の大きさを感じます。

MZ:成功の鍵はどこにあったと思われますか?

諌山:ライブショッピングを開催する前から、パーセプションを地道に獲得する目的でリツイートキャンペーンなどを実施した点にあると思います。Twitterでライブをいきなり開催するのではなく、盛り上がりをある程度計算して作った上で本番に臨むとより効果的ですね。

武者:番組構成もポイントです。セレクトした商品をただ順番に紹介するのではなく「今何個売れました」とアピールしたり、購入タイムを設けたりするなど、イベント性を高めるように工夫。本番中も「買ったよ」ツイートをした人にプレゼントを進呈するなど、その場で買うメリットを持たせていました

祭りには「モーメント」やUGCを生む企画が不可欠

MZ:Twitterライブショッピングの成果を最大化させるためのポイントを解説いただけますか。

武者:Twitterライブショッピングが瞬間的に大きな売上を生み出す装置であることは間違いありません。しかしながらQoo10の成功から感じたのは、多くのユーザーにライブ視聴を習慣づけたり、新しい会員を増やして生態系を作ったりするためのギミックとしても大いに有用なのではないかということです。

 また、Twitterライブショッピングの成功が日々のTwitter運用の延長線上にあることは言わずもがなですが、このような祭りごとを盛り上げるためには運用だけでなく、モーメントやUGCを生む企画の制作も欠かせません。企業が活用できるTwitterの機能は数多くあります。大切なのは「それらをどう活用していくか」ということ。各企業の方針とTwitterの強みを組み合わせて、Twitterライブショッピングの効果を最大化させるのが当社のようなエージェンシーの仕事だと考えています。

 当社では、これまで培ってきたライブコマース支援のノウハウを基に「トレンドライブショッピング」というパッケージを提供しています。Twitterライブショッピングを活用する際の番組内容はもちろん、配信前からストーリー性が感じられる投稿やUGC・モーメントを生み出す仕掛けなど、Twitterの機能をフルに使いながらプランニングするサービスです。

諌山:Twitterというプラットフォームを熟知し、包括的な視点で各種プロダクトや機能を組み合わせながら面白いイベントを企てるアイレップさんの手腕は、私たちにとっても心強いです。TwitterではTwitterライブショッピングに続き、自社のプロダクトを50個まで表示できる「Twitter Shops」や、ブランドのプロフィールに最大5枚の商品写真を表示可能な「Shop Spotlight」など、販売者のビジネスを促進する機能を順次日本でリリースする予定です。

ソーシャルコマースの流れは止まらない

MZ:Twitterライブショッピングの活用を検討するマーケターに向けて、アドバイスをお願いします。

武者:ソーシャルコマース自体は止まらない流れなので、絶対に押さえるべきだと思います。コマースとSNSをセットで考え「どう料理できるか」というところまでイメージしないと、時代に置いていかれてしまうのではないでしょうか。「SNS担当」「Eコマース担当」など、社内で担当者が細分化しているケースもありますが、ソーシャルコマースは認知から購入までフルファネルで考える体制が必要だと思います。

諌山:ライブコマースの領域では新しいプロダクトが次々に出てくるため、担当制によって包括的な取り組みができなくなるのはもったいないかもしれませんね。先ほどご紹介した新機能のほか、スペースなどの機能とTwitterライブショッピングを組み合わせれば、Twitterを最大限に活用したマーケティングがさらに面白くなるのではないでしょうか。

MZ:最後に今後の展望をお聞かせください。

諌山:Twitterライブショッピングに関しては、アイレップさんのようなパートナーとの協業を通じて「いかに面白く発信していけるか」を追求していきたいと考えています。単なるコマース機能として販売をサポートするのではなく、Twitter上の会話や口コミを利用する価値を伝えていきたいです。そのためにもQoo10のような事例を増やし、積極的に展開していきます。

武者:Twitterが好きなマーケティング担当者は、ぜひTwitterライブショッピングにチャレンジしてほしいです。「やるなら楽しく、真面目にエンタメを」という気持ちが大切だと思います。

Twitterライブショッピングをさらに詳しく解説!

本記事に登場した武者氏と諌山氏は、2022年9月30日(金)の『アイレップ・Twitter JAPAN共催「Twitterの新サービスを活用したお祭り型ライブショッピング解説ウェビナー」』に登壇。「Twitterライブショッピングの機能紹介」「効果を最大化させるための運用ノウハウ」など、実践的なライブコマースの活用術からマーケティング戦略とつなげるメリットを解説します。ライブコマースを実施しているものの、成果につながらずお悩みの方や、ライブコマースの配信設計に課題をお持ちの方は、ぜひご参加ください。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/09/22 10:00 https://markezine.jp/article/detail/39970